呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

アルペン中国の道険し

 中国の新聞に日本のスポーツショップのアルペンに関する記事を見かけました。日本にあるスポーツショップアルペンになじみのある人は多いと思います。しかし、中国に出店していることに対して印象の強い人はあまりいないのではないでしょうか。進出当初の計画は7年以内に100店舗の出店だったのが、ふたを開けてみると3年でわずか4店舗しか出店してらず、しかもそのうち1店舗閉鎖。最近虹橋駅付近の虹橋天地というところで1店舗オープンしています。ちなみにスポーツ用品を販売する店舗とゴルフ用品を販売する店舗では屋号が違っていまして、スポーツ用品を販売するのがsportsdepo、ゴルフ用品を販売するのがGOLF5とう名前になります。

 

 上海に住んでいてスポーツショップといえばデカスロン。毎年かなりのペースで出店しており、今年3月時点で125店舗もあります。私も何度も行ったことがあります。店内は広く、品ぞろえも豊富、見ているだけで楽しいのです。これに対してアルペンはまだ3店舗、出遅れ感は否めません。ところが、中国の総経理は特段心配していないようです。なんでも、100近くの商業施設から出店の引き合いが来ているとのこと。スポーツ用品に対するニーズが増大していることと、商業施設の増加を前向きな材料と考えているようです。現在中国にはすでに3500ものショッピングモールがありますが、多くの都市の空室率は6%を超えています。このような状況なので、総経理は、「今は相手のほうが発言権があるかもしれないが、きっとそれが逆転する日が来る」とコメントしています。商業施設の増加は近年ずっと言われていることですが、中には閑古鳥のなく商業施設も少なくありません。ショッピングモールの発言権が弱くなることはショッピングモール自体の力がなくなることを意味するので、あまりこれがいきすぎるのもどうかなあと思います。

 

 アルペンはショッピングモール内店舗が基本である(自ずと店舗面積は郊外型より小さくなる)のに対して、デカスロンは郊外型の独立店舗が多く、面積も広く、並べられる商品も多く、店内も広いので店内で体験することもできます。デカスロンはこのスタイルが売りなのですが、アルペンの領域であるショッピングモール内店舗への進出を始めようとしているようです。これに対して総経理は日本の商品はきめ細やかで品質がいいのでデカスロンを恐れることはないと考えているようです。メディアの取材なので弱気な発言はできないのでしょうが、もうちょっと警戒心があってもいいのではないかと思いました。

 

 デカスロンとアルペンの違いとしてPB商品とNB商品の比率の違いがあります。デカスロンで販売されている商品は大多数がPBで、NBは非常に少なく、アルペンはPBが70%、NBが30%あります。アルペンのPBは10数種類ありますが、同類の商品であればPB商品の価格はNBの半分くらいでターゲットはミドル層においています。一度上海のアルペンで買い物したことがあります。残念ながら客数はまばらでしたが、価格は思ったほど高くなく、いや、むしろ安く、いい買い物ができたと思ってます。

 

 最後にもう一つアルペンの特徴。ゴルフ用品の売り上げが日本では多く、中国でもゴルフ用品売り場に力が入ってます。そういえばデカスロンではゴルフ用品を見かけた印象がないですねえ。そういう意味では差別化ができているということなのですが、中国のゴルフ用品市場、一時盛り上がったものの、贅沢禁止令等の関係もありここ2年は45%の落ち込みだそうです。しかしまだまだ中国のゴルフ用品市場は伸びているとみており、その理由として、日本には2500のゴルフ場がある一方で、中国には250しかない点を挙げています。ここで素朴な疑問なのですが、そもそも中国って250しかゴルフ場がないものなのでしょうか。こんなに大きな国なのに。正規の認可を取得したのが250しかなく、公園名目で作ったいわゆる非正規のゴルフ場がたくさんあるのではないでしょうか。とにかく250じゃきかないでしょう。また、最近では非正規のゴルフ場が閉鎖させられているというニュースも聞かれますので、実質的にはゴルフ場は減少傾向にあるのではないかと思います。加えて上にも書いたように贅沢禁止令。普通に考えればきっとゴルフ用品市場も右肩上がりで伸びていくのでしょうが、この二つのマイナス材料って結構キモだと思うんですよね。

 

 ショッピングモールの増加とゴルフ用品市場の潜在力、プラス要素とマイナス要素を比較した場合、果たしてどちらの要素のほうが強いでしょうか。日本を代表するスポーツ用品店として頑張ってほしいと思います。


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