呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国人社員の平均勤続期間は2.8年

 日本人は終身雇用(最近はだんだん薄れつつありますが)、中国人はすぐ転職する。よく言われます。そこで本日は、中国人の転職について見ていこうと思います。

 

 これは《2015年春季人材流動分析報告》からの抜粋なのですが、それによりますと、ホワイトカラーの61.5%(転職活動中47.8%、転職済み13.7%)が転職活動を行ったとのこと、春節前後の動きでもあり、一番動きの大きい時期ではあるというものの、ちょっとこれは大きすぎるかと。まあ、傾向を見るという意味では春節前後に動くということをイメージできるという点で参考にはなるかと思います。

 

 

 

 下の表ですが、公務員が転職する人数が34%増加しているというデータです。そしてその人たちの人気業種は不動産、インターネット、金融です。日本の場合だと公務員がこれら三業種に転職する人も中にはいるでしょうが、ちょっと違うイメージですね。

 

 

 地理的な意味での転職先ですが、一線都市へ転職する人が10%減少しているのに対して、一線都市の周辺にある、北京に対して天津、石家庄、上海に対して蘇州、杭州のような二・三線都市への転職が13%増えてきています。これらの都市の生活環境もよくなってきたでしょうし、産業も発達して受け皿も増えてきているということでしょう。

 

 

 さて、転職する人との面接を経験したことのある人にとってはわかりやすい内容化と思いますが、下図はなぜ転職するのかの理由です。

 同僚との不和:7.4%

 勤務期間が長くなった:7.6%

 給与が低い:10.3%

 新たな仕事に対する興味:15.3%

 昇進の機会がない:59.4%

 

 これらの理由は面接では確かによく出てくる理由ですね。ちなみに、2014年のホワイトカラー転職者は平均で給与が15-25%も上がったとのこと。転職するだけでこれだけ上がるのですね。そりゃあ人件費もどんどん上がっていくわけです。

 

 下図は平均勤続期間です。業種によって分かれていますが、米国の平均が56ヶ月、中国の平均が34か月です。中国は3年持たないということですね。まるで駐在員の人気みたいですね。ちなみに私の知人がおもしろいことを言ってました。安易に人材紹介会社を利用する企業に対しての苦言なのですが、「数年でやめてしまうような人を日本ではアルバイトといいます。アルバイトを人材紹介会社を通じて採用しますか?」。なかなか厳しい言葉ですが、言ってる意味は分かります。中には人事部門がちゃんとあるのになぜか採用は人材紹介会社任せになっているようなところもあり、それって職場放棄なのではと感じてしまうこともあります。必要に迫られて人材紹介会社を利用するのはいいのですが、なんでもかんでも人材紹介会社を利用するのは確かに考え物ですね。

 

 

 最期は勤続期間比較です。日本は終身雇用となっていますが、補足として2014年には290万人が転職しており、これは4年連続の増加。終身雇用は果たしていつまで続けられるのかというようなコメントです。その他の国を見ますと、ドイツ10.5年、韓国10.3年、イギリス7.8年、アメリカ4.7年、中国2.8年です。ドイツ、韓国は結構長いですねえ。中国は3年足らず、これを見せられるとリテンションがいかに難しいか、そんな中で人材育成をどの程度注力すべきか、悩ましく感じますね。中国の日系企業を見る限りは平均2.8年ほど短い期間ではないと思いますが、企業国籍を問わず全体で見るとこんなものかもしれませんね。

 


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