呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

破産を考える現地法人

 数か月前に一度中国の現地法人を破産させたいという相談を受けたことがあります。破産はイメージもよくないのでやるならやるでかなりの覚悟が必要かと思いますが、なんでも今後一切中国で事業をするつもりもなく、債権者に日系企業もいないので、日本のビジネスにも影響はないだろうということから破産を考えたようです。よっぽと中国事業が嫌になったようですね。

 これは上海での話ですが、破産手続き自体がそれほど事例が多いわけではないので、そういう面からの難しさというのもあるのですが、やはり不義理をするのはよくないのではないかと。せっぱつまってどうしょうもないのであれば破産という選択肢もあるかとは思いますが、日本の本社は別にせっぱつまっているわけでもないようでしたので、なんだかなあと思いました。

 それと、その時に相手に話したのですが、債権者に日系企業がいないから、特に積極的に発表さえしなければ破産となっても日本にまで伝わることはないだろうという考えをお持ちでしたが、もし仮に伝わったらどうなるか、私はそこが気になりました。もしさりげなく破産が認められて(事例が多くないのですが、ここではあくまで破産が認められるのを前提とします)、それが日本にまで伝わったとしましょう。日本の取引先に伝わるとどうなるか、おそらく余裕があるのに不義理をした会社と思われるのではないでしょうか。取引銀行に伝わるとどうなるか。日本にまで伝わることはないだろうという考えがある以上、現地法人を破産させるなどということを取引銀行に伝えることはないでしょうが、それが知れてしまう場合ですね。おそらくこれも不義理をする会社と思われるでしょう。もともと銀行勤めをしていた立場からすると、そういう会社はちょっと信用できなくなってしまうなあと思います。となると、日本での銀行取引に影響が生じる可能性が出てきますね。ということで、破産はやめなはれ、清算にしなはれ、ということで清算手続きのお見積りをしたところ価格が合わず残念ながら失注。また次の案件をがんばります!


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