呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国地方都市の不動産のリスクの高まり

 中国内販のキーワードとしてよく中国内陸市場が取り上げられます。沿岸部はある程度成熟してきており、コストも高く競争も激しいので、いっそのこと地方都市を攻めようという考え方です。しかし、どうも不動産に関してはそうでもなさそうだというデータがあります。

 

 国家統計局が1-10月までの大中都市の不動産価格を発表したところによりますと、温州以外の全ての都市で値上がりが見られ、そのうち21の都市は値上げ幅が10%を超えています。しかしながら、これは一二線都市にみられる現象であり、三線都市はそれほどではありません。一線都市の値上げ幅は二線都市を上回り、二線都市の値上げ幅は三線都市を上回っています。三四線都市の不動産は既に供給過剰の状態にあり、不動産在庫もたまりつつあります。売れないのです。三四線都市と一二線都市の最大の違いは購買力の違い、そして土地の供給が多いことにあり、どうしても三四線都市では不動産在庫がたまってしまう状況にあります。なので、これらのとしては値引き販売が日常の光景になってきているようです。

 

 上海易居房地产研究院がモニタリングしている20都市において、10月末までのデータを見ますと、一二三線都市の新築商品住宅在庫量は2748万平方メートル、2760万平方メートル、2251万平方メートル、そして増加率で見ると、▲9.2%、▲3.6%と一二線都市はマイナスとなっているのですが、三線都市はなんとプラス17.4%となっています。一線都市と比べると30ポイント近くも違います。克而瑞信息集団研究中心が今年7月に発表した《中国都市住宅発展展望とリスクランキング》によりますと、三線都市の不動産市場リスクが一二線都市より高いことがわかります。ランキングの中で、隴南、武威、酒泉、定西、オルドス鄂尔多斯(オルドス)、固原、平凉、延安、慶陽、張家界が都市不動産発展リスクのトップ10で、その逆の発展見込トップ10は上海、北京、深圳、広州、重慶、天津、成都、瀋陽、蘇州、南京といった都市です。リスクの高い都市トップ50は基本的には三線都市で、中には二線都市も交じっています。そして発展見込トップ50位は一二線都市を中心としており、三線都市はあまりありません。

 

 

 

 上の表を見ていただければわかりますが、ほとんどがなじみのない三線都市です。あまりになじみがなさ過ぎて、直接的なビジネスへの影響はなさそうに見えます。しかしこんな状況でも一線都市だとまだまだぐんぐん上がっているのが不思議です。21世紀網というニュースサイトで手軽に不動産価格推移をみることができますが、一線都市と呼ばれる北京、上海、広州、深圳の昨年(灰色)と今年(オレンジ色)の動きは次の通りです。

 

   

 

  

 

 なんと去年よりも上がり方が激しいです。これを見る限りでは去年は結構不動産価格を抑えることができていたんですねえ。一線都市と特に三四線都市の価格差がますます拡大していく方向にあります。もういいけがんあげどまってもいいという見方をしていた人も多いと思いますが、市場の動きは全くそうなっていません。果たしていつまで続くことやら。


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