呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

家電量販大手蘇寧の業績が大幅下落

 ラオックスを買収したことで日本でも有名になった中国の家電量販大手蘇寧雲商(旧社名:蘇寧電器)の2013年度第3期の業績報告が発表されましたが、大幅に悪化してます。売上高は前年同期比▲2.5%と微減にとどまったものの、最終利益ベースでは前年比▲118.11%、つまり赤字に転落し、1.08億元の赤字となりました。

 

 

 

 業績が落ち込んだ要因として、蘇寧は以下の要因を挙げています。

(1)  第3四半期までのマクロ経済が低調

(2)  家電省エネ補助政策が終了

(3)  デジタルIT製品の市場全体が軟調

 この他、店舗の閉店も要因の一つであり、第3四半期までで150店舗を閉鎖し、96店舗の純減となっています。閉店に伴うコストにより営業外支出が前年同期比34.89%増加し、短期的支出の増加につながっているとのことです。

 

 また、注目すべきはネットショップと実体店舗で同一価格を採用したことにより粗利率が3.48ポイント減少して15.21%に落ち込んだことを挙げています。第3四半期までの売り上げ801.43億元のうち、ネット販売は161.72億元、前年通期のネット販売売上が183億元なので、伸びていると言えば伸びているのですが、劇的と言うほどでもありません。まあそれでも全体で見れば売上高は微減にとどまったからいいのでしょうか。ただ、粗利率の大幅減少による赤字転落はいただけない。一般的には店頭価格はネット価格よりも高いので、粗利率が下落したのはネット販売価格を店舗販売価格に合わせたのではなく、店舗販売価格をネット販売価格に合わせていったことによると言えるでしょう。

 

 しかしネット販売とは考えてみれば実体店舗にとっては本当に罪作りなビジネスモデルです。私自身も重たいものや、店頭では探しにくいものはネット販売で購入しています。特に安ければそれでいい、同じものだしというものはネットで購入と言う流れは今後も続くでしょう。それを止めるために実態店舗は動いていかないといけないのですが、そこはもうショッピングという行為自体を楽しめるようにしないとどうしょうもないように思います。店舗をぶらぶらするということで得られる楽しさってあるはずで、最近日本のデパートをぶらぶらしているとそのように感じることがあります。となると、魅力ある売り場づくりと言うのが必要になってくるわけで、それはハードも大事ですがソフトも大事な要素でして、中国の場合はそこいら当たりがちと苦手ですから、逆に言えばそれができれば大きな差別化につながると思います。というか、そうならないと引きこもっていても生活できてしまうわけで、それじゃあ世の中つならなくなりますよね。


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