呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国アメリカ商会の意見書

 中国日本商会や上海日本商工クラブがあるように、アメリカについても中国アメリカ商会というのが存在していますが、ここが10月24日に発表した《中国投資環境の好機と挑戦》において、二項目の意見を出しています。一つ目が、外資企業による中国市場参入を禁止する障壁や制限を減少すること、二つ目が審査批准のフローを簡素化することです。また、EUにも同じようなEU商会という団体があり、ここが9月に発表した《EU企業の中国における意見書2013/2014》の中で、《外商投資産業指導目録》の取り消しを含め、外資参入障壁を減少させること、及び私営企業と外資企業に戦略新興産業等を開放すること、中国が全面的に市場参入制限を減少させるといった、合計219条にもわたる意見書を提出しています。ここではアメリカ商会が提出した13の業界に関する具体的な意見について紹介します。

 

1.農業

 1997年の管理規定を改正し、2011年の《外商投資産業指導目録》と一致させ、さらに多くの外資が中国種子業界、特に種子の流通と小売りに参入することを認めること。

 

2.業務フローアウトソーシング

 中国国内消費者にサービスを提供するコールセンター事業において、外資が比率が50%を超えてはならない条件を取り消すこと。

 

3.民間航空

 外資が中国民間飛行機製造プロジェクトに参加することに対してもっと柔軟な投資要求と税収待遇を採用すること。

 

4.清潔技術と電動自動車

 新エネルギー自動車とエネルギー型動力電池の現存する一切の所有権制限と合弁企業要求を取り消し、一段と清潔技術産業と電動自動車分野の発展を推進するのに便宜を図り、《外商投資産業指導目録》が「十二五」計画の目標を一段と満たすこと。

 

5.商業銀行

 外国投資者が中国地方銀行に投資するにあたっての所有権制限を緩和し、最終的には取り消すこと。

 

6.電子支払サービス

 国内の国際電子支払サービスサプライヤーに市場を開放し、明確で合理的な許可要求を発表すること。

 

 

7.医療衛生サービス

 公私の非営利病院の価格決定、税収及びその他政策の方面における同等待遇を法律に組み入れること。

 

8.情報と通信技術

 《中華人民共和国電信条例》を改正し、現在の広く応用されている「付加価値」サービス(複数音声/テレビ会議システム、インターネット音声電話及びインターネットコンテンツ)と「基礎」電信サービスの投資と経営制限を削除すること。

 

9.保険

 中資保険会社に対するのと同様の方式と速度で外資企業の分支機構の開設申請の審査批准を行うこと(現在の省以下の分支機構が申請しているにあたり採用している方式を参照)

 

10.   法律サービス

 要求を簡素化し、予測不可能な要素を除去し、代表処の建設と新代表処の開設の審査批准時間を短縮すること。

 

11.   石油、エネルギーと電力

 特定の国有石油会社が海外投資に関係する時に初めて外国の石油会社の油田位置と生産量のレベニューシェア契約を与えることができるという規定を解除すること。

 

 

12.   不動産

 171号文書(《不動産市場の外資参入と管理を規範することに関する意見》)で専ら外資企業に対して行っている市場参入制限を取り消し、審査批准フローを簡素化し、当該業界の全体の透明度を引き上げ、先進管理技術と実践建設の中国における宣伝を実現すること

 

13.   小売

 外資小売商に対する所有権の上限制限を取り消すこと。

 

 とうわけで、13項目を列挙しましたが、結構いいますねえ。これが単に意見として人知れず提出されているだけではなく、メディアにも取り上げられているところにアピールのうまさを感じます。私の会社も上海日本商工クラブのメンバーで、先ごろ上海自由貿易区に関するアンケートが来ていましたが、これも取りまとめて意見書として出すのだと思います。まあ、上海自由貿易区自体は幻想に近いくらい期待度が高かったのが、はっきり言って期待外れもいいところなので、たくさん意見を書いてもそれが反映されそうにないように思います。反映されるにしても結構時間がかかるでしょう。


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