呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

鳴り物入りの杭州の地下街がまさかの閑古鳥

 2012年11月に杭州で地下鉄が開通しましたが、その後今年の8月8日には風起路地下鉄商業街と呼ばれる地下街がオープンしました。駅の周りに住んでいる人もいれば駅近くの会社に出勤している人もおり、普通に考えるとこの地下街は地下鉄の乗客以外にも多くの消費者を呼び寄せることができるように思うのですが、なんとこれが全くさっぱりな状況なのです。「人の流れは多いが客の流れが少ない」のです。当然地下街にある店舗の売り上げもまたさっぱりで、あまりに売れ行きが悪いので他の場所で出店している店舗の売れ残り品をディスカウント品として集中的に並べる店舗まである有様です。こんな状況でありながら、人の流れだけはやたらと多い「一等地」、家賃はかなり高く、賃料は約30元/日/㎡で、つまり平米あたり14,400円/月(1元=16元で計算)、5坪の店舗だと一か月で約24万円します。家賃負担に耐え切れないため赤字となってしまっている店舗がほとんどです。

 

 なぜこんなに流行らないかについていろいろと考察されていますが、まず一つ目にそもそもこの商店街自体が300メートルほどしかなく、店舗も30店舗ほど、10分もあれば見終わってしまう程度の規模しかない点が挙げられています。たしかにこれだとシャビいですね。この他、杭州の地元有名ブランドこそありますが、一般的な有名ブランドが出店しておらず、これも魅力が乏しい原因の一つと言われています。それと、商店街自体のポジショニングがはっきりしないという点も挙げられています。商店街は飲食エリア、アパレルエリア、化粧品・アクセサリーエリア及びレジャー食品エリア等に分かれており、老娘舅快餐(ファストフード)、喬治理髪店、中国移動通信ショップ、金夫人婚紗撮影麗致店(結婚写真撮影)、ローソン、自然派零食(お菓子)、哈中零食(お菓子)、COCO奶茶(ドリンクスタンド)といった店舗が入居していますが、数十元から100元程度のアクセサリーショップや客単価数百元する高めのアクセサリーショップもあれば、10元にも満たない弁当やファストフード点があったり、数十元するような高級点心があったりして、結構顧客層がバラバラな店舗が混在しているような状況です。

 

 中国の地下鉄商店街はまだ成熟しておらず、中国人が買いものすると言えばすごく近所かちょっと出かけて百貨店やショッピングモールというのが多く、そのため力のある店舗はあまり地下街を重視していません。また、今回紹介した商店街だと面積の小さい店舗が多く、営業性個人や零細企業も少なくなく、販促マーケティングもできなければ、環境、サービス、品質、品種等の面で改善すべき点が多くあるとも言われています。

 

 ちょっと思い浮かべてみればわかるかと思いますが、日本の商店街はかなりすごいですよね。そもそも東京・大阪・神戸あたりだとしょぼい商店街を探す方が大変で、商店街と言えば例外はもちろんありますが、かなり充実している印象があります。上海の徐家匯の地下街はちょっとしたものですが、一般的には中国の地下街は確かにまだまだ発展の余地があると言えますね。鉄道駅を軸にした街づくりと言うのはおそらく日本がかなり得意にしてきた分野で、日本だと地上だけでなく地下まで作り上げてしまっていると言えます。中国だと地上はそこそこ作り上げてきているかもしれませんが、地下街となると中途半端なところもたくさんあります。このあたりは日本のノウハウって生きるのではないかなあと思いました。


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