呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

100万元也! ~ 広州の高級老人ホーム ~

 昨年末に手続き面で問題があったとして営業停止になった広州にある頣福居という「超高額老人ホーム」が補足的な手続きを終えて改めて開業しました。地元報道では超高額とは書いてますが、果たしていかほどのものが見ていきましょう。

 

 

 

 さて、そもそもこの老人ホームのある用地は広州市民政局と広百集団による所有なのですが、民間機構が20年の期限で賃借して運営しています。ベッド一つ当たりの価格は29.2万元、部屋は1Kで広さが約20㎡、ベッドの他にはテレビがあります。そしてこれよりも高級なのは約40平方メートルで、価格は40万元となっています。この他、入居後は毎月2800元のサービス費、水道光熱費、食費を支払う必要があり、20年後は土地賃借の状況を見ながら継続して住むことができるようであればその時点でさらにお金を払うことになります。仮に20年間住む場合、29.2万元のベッドを選択したとすると、毎月の2800元も勘案すると、20年間の総支出は96.4万元、40万元のベッドだと総支出107万元になります。これとは別に介護サービスが必要な場合は別途費用が発生します。

 

 120ベッドあるうちの30-40人ほどが入居しており、それなりの値段のするものであることから、70過ぎの教授、校長、画家等の知識人が多いそうです。

 

 ある老人が見学した後の感想としては、「もし20年生きられなかった場合、ベッド価格(29.2万元とか40万元)は割に合わない」、「毎月のランニングフィーも考えなければならない」、「介護サービスは別料金」などと言う声が聞かれています。この100万元前後と言う価格帯は既に上海にある親和源と言うところで行われている価格設定に近く(頣福居とは少し建付けが違いますが)、都市によっては受け入れられる価格帯になりつつあると思っています。

 

 最近も何度か書いていますが、養老施設ビジネスに参入する企業が続々と現れてきています。そして、その多くがハイエンドを志向しており、中には今回紹介した頣福居よりももっと高額なところもあります。それだけ勝算があるということなのでしょう。私も当初はこのビジネスは極めて難しい分野だと思っていましたが、最近ではやってやれないことはないと考え方が変わってきています。ただし、あまり生半可な気持ちで参入しようとすると痛い目に合うと思います。頣福居は広州ですが、都市によっては老人ホームや漏示向けマンションに対する考え方が違うことが考えられますので、そのあたりをあらかじめじっくり調べこんだうえで進めていくべきだと思います。今年になって新たに通達が出て独資でも養老機構の設立ができるようになってきていますが、将来的な運営を考えますと個人的には独資よりもむしろ合弁の方がいいのではないかと思います。単純に独資は資金力がたくさん必要になるのと、老人相手と言うことで行政と絡んでくるケースが多いと思われるからです。今までいくつかご相談いただいているケースでは独資が開放される前から独資でやりたいという会社が1社ありましたが(なんでもコネを使えばできるはずと言い切ってましたが、ルールで認められていない以上私は完全に疑ってました)、それ以外はすべて合弁で考えており、私が考えていることと企業が考えていることはそうかけ離れていないと思っています。老人ビジネスは何も老人ホームや老人マンションのような箱モノだけではなく、その周辺ビジネスとして福祉機器あたりにも着目している企業が出てきています。しばらくはこの業界に対する視線が集まっていくことでしょう。


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