呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

上海自由貿易区がスタート

 2013年9月18日付で《中国(上海)自由貿易試験区全体方案》が公布され、いよいよ注目の的でありました上海自由貿易区がスタートすることになりました。同方案では上海自由貿易試験区のエリアを上海外高橋保税区、上海外高橋保税物流園区、洋山保税港区と上海浦東空港総合保税区等の4つの税関特殊監督管理区域とし、6大分野計18項目でサービス分野の更なる開放を行い、また一部の分野を除き、内外資一致の原則に従って、外商投資プロジェクトを認可制から届出制に変更し、また外商投資企業の契約・定款についても審査制から上海市が届出管理を行うものとなり、手続き面でも簡素化されます。ここでは開放されるサービス分野をご紹介いたします。

 

 

Ⅰ.金融サービス分野

1.銀行業務

(1)  条件を満たす外資金融機関が外資銀行を設立することを許可、条件を満たす民間資本と外資金融機関が中外合資銀行を共同設立することを許可。条件を備えた時に、試験区内で適宜有限ライセンス銀行の設立を試行。

(2)  関連管理弁法画家整備され、有効な監督管理が強化されるという前提の下で、試験区内で条件を満たす中資銀行がオフショア業務を行うことを許可。

 

2.専門健康医療保険

(1)外資専門健康医療保健機関の設立を試行。

 

3.ファイナンスリース

(1)ファイナンスリース会社が試験区内で航空機一機、船舶一艘の子会社の設立に当たり最低登録資本制限を設けず。

 

(2)ファイナンスリース会社が主営業務と関連する商業ファクタリング業務を兼営しることを許可。

 

 

Ⅱ.船舶輸送サービス分野

4.遠洋貨物運輸

(1)中外合資、中外合作国際船舶運輸企業の外資出資利率制限を緩和し、国務院交通運輸主管部門が関連管理試行弁法を制定。

 

(2)中資会社が保有またはマジョリティ保有する非中国籍船舶が、対外貿易輸出入コンテナが国内沿海港湾及び上海港との間の沿海国内業務を先行して試行することを許可。

 

5.国際船舶管理

(1)外商独資国際船舶管理企業の設立を許可

 

Ⅲ.商貿サービス分野

6.付加価値電信

(1)ネットワーク情報が安全であると保障される前提のもとで、外資企業が特定形式の一部付加価値電信業務を経営することを許可し、行政法規を超えるようなものの場合、国務品の批准同意を必要とする。

 

7.ゲーム機、アミューズメント機器の販売及びサービス

(1)外資企業がゲーム・アミューズメント機器設備の生産と販売に従事することを許可し、文化主管部門のコンテンツ審査を通過したゲーム・アミューズメント機器設備を国内市場に向けて販売することができる。

 

Ⅳ.専門サービス分野

8.弁護士サービス

(1)中国弁護士事務所と外国(香港・マカオ・台湾地区)の弁護士事務所が業務合作の方式と構造を密接に探索すること。

 

9.信用調査

(1)外商投資信用調査会社の設立を許可。

 

10.旅行社

(1)試験区内に登録する条件を満たす中外合資旅行社が、台湾地区以外の出境旅行業務に従事することを許可。

 

11.人材仲介サービス

(1)中外合資人材仲介機構の設立を許可し、外方合資者は70%を超えない出資持分を有することができる。香港・マカオのサービス提供者が独資心材仲介サービス機構を設立することを許可。

(2)外資人材仲介機構の最低登録資本要求を30万米ドルから12.5万米ドルに引き下げ。

 

12.投資管理

(1)株式制外資投資性公司の設立を許可

 

13.工事設計

(1)試験区内の上海市のためにサービスを提供する外資工事設計(工事調査を含まず)企業に対して、初回の資質申請時の投資者に対する工事設計業績要求を取り消し。

 

14.建築サービス

(1)試験区内の外商独資建築企業が上海市の中外聯合建設プロジェクトを請け負うときに、建築プロジェクトとの中外方投資比率制限を受けない。

 

 

Ⅴ.文化サービス分野

15.公演マネジメント

(1)外資公演マネジメント機構の出資比率制限を取消、外商独資公演マネジメント機構を設立し、上海市のためにサービスを提供することを許可。

 

16.娯楽場所

(1)外商独資の娯楽場所を設立し、試験区内でサービスを提供することを許可。

 

 

Ⅵ.社会サービス分野

17.教育研修、職業技能研修

(1)中外合作経営性教育研修機構の開設を許可。

(2)中外合作経営性職業技能研修機構の開設を許可。

 

18.医療サービス

外商独資医療機構の設立を許可。

 

 

 自由貿易区と名うっているにしては港湾や物流と関係のない分野が多く、また自由貿易区は上海市内のビジネスエリアから地理的にも遠く離れていることから、実際に自由貿易区内に登記設立したとしても実際の業務は上海市内のビジネスエリアに事務所を設置して行われるものが多くを占めているといえます。

 

 また、外商独資での設立を認められている分野でも、実際のビジネスに参入するには中方の協力を必要とするような分野も多く、独資での設立が認められるからと言って安易に独資での進出を考えるよりは、合弁形態での進出も視野に入れてビジネススキームを検討すべきものといえるでしょう。


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