呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

さすがの海底捞もアメリカでは水土不服

 中国のサービスもついにここまで来たというときの紹介事例として必ず取り上げられる火鍋屋の海底捞、私も何度か言ったことがありますが、過剰サービスと言ってもいいくらいのサービスだと思います。以前書いた記事はこれです。http://blog.goo.ne.jp/gomeiken/s/%B3%A4%C4%EC

 

 さて、この海底捞がアメリカ進出を果たしました。

 

 

 

 中国ではなかなか難しい行き届いたサービスの提供ができただけあって、アメリカでもいけるのではないか、そう期待してしまうのが自然でしょう。 出店場所はロスアンゼルス近郊のアルカディアと言う住宅地エリア、お金持ちが多くいるエリアだそうです。アジア系が半分近くおり、鼎泰豊、盧記火鍋、北京烤鴨店といったお店もあります。アメリカ華僑も海底捞がやってくるということが結構期待していたそうですが、アメリカ市場はそう甘くはなかったのです。口コミサイトでの評価が5つ星満点でわずか2.5星しかついておりません。

 

 

 

 アメリカ市場が甘くはなかったというよりも、これから取り上げることを見ていくとうまくいかないのもわかるのではないかと思いますの見ていきましょう。

 

 

1.ネイルサービス

 中国の海底捞で見られるネイルサービス、待ち時間にネイルサービスを受けている人を良く見かけますね。さて、これがアメリカではそもそも店舗としての検査が通らないそうです。韻書t区と何ら関係ないサービスであり、そもそもネイルをいじること自体が飲食と言う観点からすると不衛生と言う考え方をするようです。なのでバツ。

 

 

2.味覚

 火鍋のスープの中には漢方薬風のものがあり、この味覚は全く受け入れられないとのことです。

 

 

3.飲み物

 中国だと一般的には大きな火鍋が一つあり、それをみんなでつつくスタイル、最近では一人一人に小さな鍋を要するお店もよく見られます。アメリカでは後者を採用し、アメリカだと一緒につつくのはあまり好まれないようで、この部分は正解だったといえるでしょう。

 

 

 

 ところが飲み物は違っていました。、アメリカで注文されるのものは冷たい水、冷たいコーラ、冷たいビールが中心なのですが、海底捞で出される「二鍋頭」というアルコール度数の高い白酒は全くと言っていいほど受け入れられずです。まあこれは別の飲み物を提供すればいいだけの話かとは思います。

 

 

 

 

4.メニュー

 これについてはなぜこんなことをしているのか全く理解できないのですが、英語のメニューがないのです。Ipad画面ででビジュアルでどんなものかはあわかるのですが、それでも英語で表示しないことには話にならないでしょう。中国語を話す人だけをターゲットにしようとしていたのでしょうか。また予約するにも電話予約サービスも中国語のみです。普通のアメリカ人はこれだと予約することができません。海底捞以外にも火鍋屋はあるわけで、こんなややこしいところで食べようと思うことはないでしょう。アメリカ人からするとこのお店やる気あるのかと思いますよね。

 

 

 

 

5.価格

 一人当たり単価が約40ドル、日本円で言うと4000円くらいですね。そう聞くと特になんとも思わないかと思いますが、この値段を出せばアメリカだとステーキ、ロブスター当たりのものも食べることができ、お昼であればセットメニューもあることから、海底捞の価格帯には割高感が感じられとのこと。一般のレストランでは一人単価20ドルくらいでまずまずの食事ができ、小肥羊や盧記火鍋もこのくらいの価格帯です。これらと比較するとコストパフォーマンスのバランスが取れていないですよね。また、そもそも火鍋と言う料理は技術的には大したことがなく、そんなお金を出すくらいなら自分で材料買って家で食べるわと言う人も少なくないようです。かくいう私も自炊する時は鍋料理にすることが多いのですが、理由はまさしくこれで、調理をする必要がなく簡単だからです。

 

 

6.景品サービス

 ヘアピンを配るということをしていますが、アメリカ人には全然うけないようです。また、雨の日にサンダルを貸し出すサービスも、そもそもこのエリアには雨が少なく、そんなものを用意する必要はほとんどないですし、靴を預けるのを嫌がる人も多いようです。

 

 

7.声掛け

 中国の海底捞ではお客さんが話をしているときに店員から「我們可以提供什麽」(何か承りましょうか)と声をかけることがありますが、これがアメリカでは「人の話を盗み聞きするな」と思われるそうで、「なんじゃこいつ」となるそうです。文化の嵯とは難しいものです。

 

 以上のように、中国のサービス業を語る際にあれほど話題になった海底捞もいざ外国に行けば「本国の成功体験に基づいて、本国とほとんど同じビジネスモデルでやろうとしてうまくいかない」という典型事例になってしまってます。これを日本企業の中国を含む海外ビジネスに置き換えれば同じ構図となっている企業も少なくないのではないでしょうか。まさに中国語でいうところの水土不服((他郷で)水が合わない、土地になじめない⇒現地化できていない)といえます。海底捞のこの事例はは反面教師として大いに参考になるといえますね。


メルマガで最新情報をお届けします
「呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記」の新着記事をメールにてお届けします。今の中国ビジネスの実態をお伝えしております。
メールアドレス *
* 必須項目