呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国農村市場も甘くない

 中国郵政集団と米国ホライズンインベストメントと設立した中郵百全連鎖超市という会社があります。コンセプトは農村市場をターゲットにしたスーパーのチェーン展開です。中国内陸市場が最近注目されており、そのあたりに関する相談も受ける機会が増えてきておりますが、このプロジェクトは農村市場にまで踏み込んでおり、狙いとしては面白いと思います。

 

 

 

 プロジェクトは2010年(設立は2009年)に資本金3600万米ドルでスタート、河南、山東、江西の三省12県で100-500平方メートルの店舗を100店舗展開するというスーパーマーケットチェーンを計画。現在は直営店が98店舗、加盟店が6000店舗となっております。この数字を見る限りそこそこの展開ができているように思えますが、3年連続の赤字(累計で4億元)、今後も利益を計上できる見込みが立っていないようです。

 

 うまくいってない要因として、業態のポジショニング、競争が激しい、農村市場は複雑、といったことがあげられていますが、店舗について見ていきましょう。

 

 ある店舗について取り上げてみますと、約300平方メートルの店舗で年間売上高が200万元足らず、日商平均だとわずか5479元しかありません。いくら農村市場と言ってもこの面積でこれはしんどいでしょう。店舗に並べてある商品についてみてみますと、レジャー食品、洗浄用品、日用品、食料品といった農村市場でよくみられる商品が中心となっていますが、生鮮品のような特色もなく、客の流れを引き寄せるような品種もなく、価格や商品も特に魅力的というわけではなかったようです。農村市場と言ってもすでに入ってきているスーパーマーケットもあり、例えば好又多(ウォルマート系列)あたりは1000平方メートル規模で展開し、面積も多いことから百全スーパーよりも商品も全然充実しています。また、農村であるがゆえに小さな商店もたくさんあり、そういうところとの競争にも巻き込まれているようです。要するに中途半端だったのでしょう。

 

 店舗は欠品が非常に多く、商品の陳列でもあいているところも少なくないとのことです。消費者からすると「?」と感じるのはやむを得ないでしょう。欠品が多いのはどうも配送に問題があるようで、とある店舗では週に一度しか配送がなく、どうしても欠品が出てしまうということです。百全スーパーくらいの規模の店舗だと通常は毎日1回、生鮮品も扱っているところだと1日2回配送しているところがあり、それらと比べると全く比較になりません。これに関して同社では、店舗が分散していることや、売上とコストの状況からこのようになってしまっているとの回答ですが、この言い方であればいつまでたっても変わらないということになります。

 

 農村と言うニッチを狙っても結局は競争に巻き込まれ、そういうしているうちにやるべきことがやれないようになり、負のスパイラルに陥ってしまったといえるでしょう。内陸や農村を攻めるというのはトレンドとしてはいいと思うのですが、これはこれで甘くないようです。


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