呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

人民元貸出金利の下限が撤廃

 既に日本のメディアでも報道されていますが、中国の銀行貸し出しにおいて設けられていた基準金利の0.7倍という下限が撤廃されることになりました。しかし、貸出金利の下限が撤廃されたからと言ってすべての企業がその恩恵にあずかれるわけではありません。当然信用力のある企業のみが恩恵にあずかれると考えるべきでしょうし、そもそもこれまでの状況を見ると、基準金利以下で借入ができている企業は10%にも満たない状況にあります。それに銀行の調達金利から見てもそもそも基準金利の70%で貸出しても儲かないでしょう。そう見ていくと、下限撤廃政策が浸透するまでは銀行経営の観点から見ても少なくとも短期的には影響はそれほど大きくならないのではないかと思います。そもそも6月に流動性危機下表面化したばかりで金利を下げてまでじゃんじゃん貸出するということが考えがたいです。

 

 中小企業の資金調達が容易になるという見方もあるようですが、金利はそもそも会社の信用度や借入の性質に応じて変動すべきものであり、貸出金利の下限撤廃によって中小企業の調達力が上がることに直結することは考えにくいと思います。信用力が劣るところに対して金魏の下限撤廃なんて関係ないですよね。信用力の劣るところに貸すのであればむしろ金利を高くとるべきですから。民間金融で行われていたみたいに10%と20%で銀行が貸出のであれば確かに中小企業の銀行からの調達も容易になるかもしれませんが、そういう動きに走っていくようにも思えません。中小企業の資金調達を容易にすることが目的であれば金利ではなく貸出枠の方御調整すべきでしょう。貸出金利下限撤廃は徐々に自由化が進んでいくという動きの単なる通過点と考えるべきかと思います。


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