呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

内陸からスタートした小売業

 もともとワトソンズにOEM商品を供給していた人が自ら蓓体施黛という会社を興しました。業態は化粧品等の小売チェーンで、要するにワトソンズと同じ業態です。そして1店舗目を上海でもなく、北京でもなく、広州でもなく、深圳でもなく、なんと洛陽に出店したのです。2008年のことです。中国マーケットを語るとき、最近だと「内陸を攻める」というのがフレーズとしてトレンド化してきていますが、同社はそれを実践したわけです。

 

 

 同社が洛陽に出店した理由としては、(1)上海のような大都市での出店は立ち上げ時の財力からしてブランド力を作り上げるのは無理という判断、(2)三四線都市では全てのハイエンド消費者が同じ場所に集まって消費するため、小さな店舗でも影響力を持つことができるという判断、おおきくはこの二つの理由からでした。さらに、同社の商品の占有率は三四線都市では最も早い水準にあり、消費者を引き付けることができる大きな要因になっています。

 

 同社の戦略はブルーオーシャン戦略、要するに競争相手のいない場所を選んだもので、一般的に三四線都市でこれだけの価格帯の化粧匯チェーンというのはなかなかないというところに狙いを定めました。ちなみに、同社の店舗面積はだいたい30㎡ちょっとくらいで、立ち上げ資金は20万元たらず、そして客単価は300元とワトソンズを上回るとのこと。既に三四線都市で30店舗以上を出店し、昨年の売上高は3500万元、ファンドからの投資も受けているとのこと。一店舗当たりの売上高が小さいような気もしますが、期中に出店した店舗もあるでしょうし、店舗自体も大きくないのでこんなものなのでしょう。

 

 当初はオーシャン、カルフール、大潤発等のスーパーの周辺に出店していましたが、徐々に顧客の購買環境に変化が生じ、例えば静かな環境、スーパーの場外エリアで200-300元のケア商品を購入するのを嫌がるという傾向が表れ始め、結局スーパーの周辺店はすべてクローズ、そして現在では全て銀泰百貨や百盛百貨等の百貨店の売り場に出店しています。

 

 また、同社の商品はファイシャルケアではない体の他の部分を対象にしたものであり、他にはあまり見られない商品であるのが差別化につながったと見られています。今では百貨店の方から出店してほしいと声がかかるようになってきたとのこと。

 

 小売業に関しては冒頭にも書きましたが「内陸を攻める」というのはよく聞きますが、どうしても沿岸部の情報量が多く、情報量が多いゆえの安心感があるがゆえに、結局沿岸部に出店するケースが多いと思います。しかし、今回した中国系ではありますが蓓体施黛の内陸からスタートするという動きは非常に参考になるのではないかと思います。今後内陸マーケットへの出店を考えるうえではいい教材になるのではないかと思います。


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