呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

マクドナルドの入郷随俗

 中国に進出している外資ファストフードと言えばケンタッキーとマクドナルドがあげられます。特にケンタッキーは中国に4300店舗もあり、中国地区の売り上げが全世界の約半分を占めています。そんなケンタッキーの業績は昨年終わりあたりから落ち込み始め、また、今年は鳥インフルエンザの影響もあり、4月度は前年比▲29%、5月度は前年比▲19%と大きく落ち込んでいます。一方で、中華式ファストフードについてみてみますと、ブルースリーのロゴでおなじみの真功夫の2012年の売上高は前年比約20%増加し、今年に入ってからも増加基調にあります。ケンタッキーは2005年から豆乳、油条、米、粥といった商品がメニューに加えられ、現在ではすでにかなり認知されています。そしてマクドナルドはかたくなにその分野にまでは手を広げなかったのですが、ついに6月10日よりメニューの「現地化」に踏み切り、ご飯もののメニューを提供し始めました。新たに提供されるのは「五色嫩鶏麦飯巻」(16元)、「五色至牛麦飯巻」(18元)、「秘制鶏腿麦趣飯」(18元)、「烤汁牛肉麦趣飯」(20元)の4種類です。今のところ午後5時から深夜0時までの時間限定商品です。

 

 

  

 まさに食の現地化に踏み切ったということがいえますね。マクドナルドによりますと、中国の大都市の外食市場は夕食の比率が53%であるのに対し、マクドナルドの夕食比率は20%に過ぎず、潜在的なニーズが多くあるという考えを持っています。マクドナルドが中華風のご飯ものに手を出すとなると中華式ファストフードへの影響が免れないように思いますが、なかにはマクドナルドユーザー内で注文する商品がスイッチするだけなので、それほど大きな影響はないという見方もあります。

 

 さて、マクドナルドが提供し始めた中華式メニュー、その反響は次のようなものです。

 「味はまずまず」

 「肉はハンバーガーのものよりおいしいが、分量がちょっと少ないかな」

 「ご飯ものだったらそれ用の容器に入れて欲しいな。強大なハンバーガーかと思ったわ」

 

 今後も顧客の声を聞きながら適宜修正していくのではないかと思いますが、マクドナルドがご飯類メニューの提供に踏み切ったのは必要に迫られたからだという見方があります。利益を上げ続けなければならないという長期的なプレッシャー、鶏肉製品の売り上げが落ちてきているという短期要因、これらによりマクドナルドが「現地化」に踏み切らざるを得えなかったと言われています。いずれにせよ、消費者にとっては選択肢が増えるという意味で歓迎すべき現象と言えます。これにより、1700店舗を有するマクドナルドが4300店舗を有するケンタッキーをどこまで追い上げていくのかが見ものです。それよりもなによりも一度食べに行こうっと。


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