呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

 改正労働契約法の実施が7月1日に迫ってきています。注目は派遣従業員の取り扱い。派遣の定義づけが明確になることによって派遣が使いづらくなることは関心のある方であればすでにご存じのとおりですが、もう一つが派遣従業員の比率ですね。改正労働契約法の中で、「使用単位は労務派遣従業員の総量は一定比率を超えてはならず、具体比率は国務院労働行政部門が規定する。」という一文がありますが、この比率が今もなお発表されていません。議論の中でこの比率の上限は10%とするという意見があるようですが、今のところまだ確定はしていません。人数の多い会社は母数が大きいのでともかく、少ない会社だとある日突然比率を超過してしまう可能性があります。中国では日本よりも人の流動化が激しいので、ある日突然従業員が辞めますというケースも考えられ、それによってその瞬間に比率オーバーしてしまう可能性が生じるからです。やめられてしまうケースもそうですし、やめさせる場合もそうですが、例えば解雇したいと思っている、あるいは契約を終止しようと決めている正規雇用従業員がいたとして、でもその社員がいなくなってしまった瞬間に派遣従業員比率が上限を超えてしまうようであると解雇や契約終止をためらってしまうこともありえます。こういうこともありえますので、派遣従業員の比率が超過した時点で即罰則なのかという考え方に対しては専門家の中には様々な意見があり、超過した時点で期限を切って改善する方法や、過渡的措置として派遣比率が確定したのち、2年以内に徐々にその比率に抑えていく、といった意見も見られております。ただ、この10%をどう算出するのかということ自体にも議論があるようで、会社で働いている人の中には全日制の人もいれば非全日制の人もおり、労務関係の人もいれば、実習生や外国人もおり、母数をどうするのかという議論もあります。

 

 では、仮に10%となった場合どうなるでしょうか。設立したばかりの販売会社であれば従業員5人程度というのはざらにあります。このうちの一人が派遣であればその時点で20%となり、違反ということになります。小さい会社だと派遣は使えなくなってしまいます。10%だと10人以下の会社は一人も派遣従業員に来てもらうことができなくなってしまいます。10人以下でやっている会社なんていくらでもあると思うのですが、果たしてこの比率はどうなるでしょうか。なにせ改正労働契約法は7月1日からのスタートなので、今月中に出ないとまずいですよね。


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