呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

日中広告宣伝費比較 ~乳業企業~

 国によってビジネスのスタイルというのは異なります。わかりやすい例で言えば中国の小売業は粗利率は日本のそれと比べると極めて低いのですが、それを入場料等のその他のサプライヤーから徴収する費用で埋め合わせているというのが一つの例です。このほかだと、家賃比率が高いということも上げられるかと思います。特に中国の飲食業は家賃負担が大きすぎて利益を上げることのできているのは1割くらいしかないとも言われています。そして新聞で見て面白いと思い、また以前も気づいたことがあったのですが、広告宣伝費についてみていこうと思います。

 

 たまたま現地の新聞を見ていますと、「純利益よりも広告宣伝費の方が高くついている」という見出しで、乳業の企業について取り上げられていました。こういうのは日本の場合と比較するとわかりやすいです。そこで、中国でよく見かける牛乳ブランドの伊犁、光明、蒙牛の三大ブランドと、日本の森永乳業、雪印メグミルクの数値を各社の有価証券報告書(連結ベース)の数値を以って比較してみました。表の金額の単位は中国系は左側が100万元、右側が100万円です。

 

 

 

 新聞報道の通り、確かに中国系は純利益よりも広告宣伝費の方が大きいですが、日本の森永乳業も純利益よりも広告宣伝費の方が大きいです。しかし、このような絶対額よりも注目すべきは広告宣伝費の売上高に対する比率である。上表の黄色い部分ですが、明らかに中国系の方が比率が高いのがお分かりいただけるかと思います。それにしても伊犁の比率が非常に高いです。森永乳業の約10倍です。

 

 新聞報道ではいたずらに広告宣伝費を使えばいいわけではないという論調でしたが、今のところ業界構造としてこれだけの広告宣伝費が必要になっているというのも事実です。他の業界でも広告宣伝費はかなり使われており、いい悪いはともかくこういう企業を相手に日系企業は戦っているのが現状です。日系の場合はなかなか広告宣伝費の予算を多く取れないと聞きますが、他社はバカバカ使っているわけで、そういう意味ではかなりハンディキャップを負ったまま競争せざるを得ない状況にあるといえるでしょう。こういうのを見て「こんなに広告宣伝費を使えるのか」とうらやましがる人も多いでしょうね。


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