呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国で高級車の売れ行きが鈍ってきたぞ

 世界で最も多くの新車が売れているのは中国で、昨年の新車販売台数は1930万6400台で4年連続の世界一。

 

 

 (時事通信ウェブサイトより)

 

 毎日のように渋滞を見ている側からするともうこれ以上売らなくてもいいよと思いますが、さすがにそういうわけにもいかないのでしょう。

 

 これだけの勢いで伸びてきているので、伸び率は減少してきています。母数が大きくなるから当然と言えば当然です。ただし、伸び率の減少の仕方に特徴があります。新聞から引っ張ってきた下の写真をご覧ください。

 

 

 

 ちょっと暗いですが、棒グラフのの黄土色が全体伸び率、赤色が高級車伸び率です。右下の2013年第1四半期ですが、高級車伸び率が8.34%とこの表の中で初めて10%を切ってしまってます。8%も伸びれば御の字だと思う人もいるでしょうが、前年同時期が40%も伸びているのに今年が8%そこそこだとちょっとまずいでしょう。それにしても2010年の80%というのは凄いですね。ちなみに昨年全世界で売れたフェラーリは7318台に対して、中国では500台も売れており、なんでもフェラーリ会長が中国で売れすぎて、「年に500台も売れては独創的な存在たりえない」と、中国での販売を抑制する方針を打ち出したほどです。

 

 次に、銘柄で見ていきます。2013年1~4月のBMWとアウディの数字です。

 

 

販売台数

伸び率

前年伸び率

BMW

11.82万台

17.8%

35%

アウディ

14.14万台

13.9%

41.4%

 

 明らかに落ちていますねえ。なぜこれだけ落ちているのでしょうか。最近お客さんと話していても景気が悪いという話をよく聞きます。一つは景気が悪いというしごく単純な理由があるのでしょう。それともう一つが役人・公務員の贅沢自粛によるものと言われています。2011年に「一般公務用車と職務用車の排気量は1.8リットルまで、価格は18万元までという俗にダブル18と呼ばれる規定が発表され、そのころから公務車については外資ブランドから国産ブランドに移るトレンドとなっていました。そして昨年12月に贅沢禁止令が発表されると、高級車の購入が大幅に減少したそうです。実際に北京のとある高級車販売店ではダブル18が発表されたときに10%売り上げダウン、今年1~4月では少なくとも20%ダウンしているとの話です。ちなみに第1四半期でレクサスは40%ダウン、インフィニティが28%ダウン、アキュラが29.8%ダウンとなっており、日系ブランドについては平均値以上の落ち込みと言えます。日経の場合は反日に問題もあったのでしょうが、その他の要因として新車導入、価格調整、チャネル発展といった方面においてスピードが遅いということが指摘されています。自動車メーカーに勤める知人から聞いたことがあるのですが、新車導入については確かにそうかもしれないという話でした。

 

 さて、いろんなところで日本の企業は判断が遅い、中国企業は速いと聞かされます。中国企業の場合、最近落ち着きつつありますが基本的にはずっと経済が右肩上がりで伸びてきたこともあり、今まではどんな判断を下しても失敗することはない、だからスピーディーに物事を決めることができたという要素もあるのではないかと思うのです。では、日本の高度成長期はどうだったのでしょうか。どんな判断を下してものぼり調子の経済の勢いの中では失敗することはないということはなかったのでしょうか。そのころに働いていなかったのでわかりませんが、少なくとも今よりは速かったのではないでしょうか。当時だとたぶんもたもたしていると周りに先を越されてたでしょうからね。


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