呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

学習障害児童向けスクール

 字を読むことはまあ大丈夫でも書くとなると苦手、そういう子どもがいます。学校の勉強で言うと算数はできる、理科もできる、でも国語が全然ダメ。一種の学習障害ですね。2004年に北京教科院というところが調べたところ、北京には10%程度の小中学生が読み書きがしんどいという結果が出ています。香港ではここ3年でこの比率が9%だったのが12%に上昇しているそうです。こういう学習障害の子供たちのためのスクールが中国にあります。楽朗楽読というスクールです。

 

 

 

 学習障害の子供たちを助けたいという思いから2007年にスタートしたのですが、2008年の夏時点での生徒数がわずか8人、現在ようやく100人ちょっとという水準に達し、ようやく収支がほぼ均衡するという状況になっています。

 

 このビジネスの難しい点として挙げられているのは、学習障害の子供たちがターゲットなのですが、どこにそのような子供たちがいるとか、そもそもそういうことを人に知られたくないということもあり、対象となる子供たちを探す難しさというのがあります。ただし中国は人口も多く、2007年の調査では小学生が1736万人、これの10%が学習障害だとして173万人が対象者となります。これに加えて、このスクールでは学力をより引き上げるためのクラスも設けて通常の子供も受け入れるようにしています。

 

 また、スクールの経営者は社会組織サービス項目という認定を北京市朝陽区政府から認定を受けることができ、これにより受ける側がより少ない金銭的負担で受けられるようになってます。

 

 これ以外に、低収入家庭のために家庭年収入3万元以下の家庭に対しては学費免除、また経営者はスクールの投資者との間で5人の生徒につき一人の定収入家庭の子女については学費を免除するという約束をしており、教育事業らしく社会的使命を果たしているともいえます。

 

 この業界には同業者もまだおらず、まだまだ成長性を感じられる分野であるといえますが、今のところそれほど利益が上がっているわけでもなく、結構我慢強く運営してきたように思います。7人の投資者から70万米ドルを集めたということですが、単なる営利目的だけだとがまんできずに途中でやめてしまっていそうな事業であるようにも思え、投資を受けるということも大事ですがここまで続いているというのはおそらく政府から社会サービス事業としての認定を受けたことが大きいのではないかと思います。かなりニッチな部分なので外資が入り込むというのはちょっと考えにくいのですが、政府からお金を引っ張り出すことができたいという点でなかなか興味深く感じました。


メルマガで最新情報をお届けします
「呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記」の新着記事をメールにてお届けします。今の中国ビジネスの実態をお伝えしております。
メールアドレス *
* 必須項目