呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

ドイツ大手家電量販が中国撤退

 ドイツの家電量販大手MEROグループの万得城(MediaMarkt)が中国での業務をストップすることを発表しました。業況が良くなかったから撤退するのですが、業界筋によると、買取仕入れの経営モデルを行うには規模的に小さかったこと、企業ユーザーをターゲットにすることで通常の小売業者との競争を回避したものの、このような会員制モデルの顧客層に限りがあり、広く受け入れられなかったことにあると見ています。私は実際にこの店舗に入ったことがない(と思う)ので、実際にどのようなスタイルで運営されていたかこの目で確認はしていないのですが、どうもこういうスタイルらしいです。

 

 

 

 万得城はすでに中国から撤退した百思買(ベストバイ)と同じく、買取仕入れを行っていたのですが、なかなか売り上げが伸びていきませんでした。買取仕入れには一定の優位性があるものの、それも規模があって初めて優位性が得られるものであり、そのレベルに至るためには大量の資金投入が必要になるとのことです。全部で7店舗しかないのでそこに達することができなかったということでしょう。

 

 実は万得城の出資者にはMETRO以外に台湾鴻海精密工業の中国法人富士康がおり、富士康との間で今後どうしていくか話し合っているところなのですが、このような状況の中ですでにいくつかの中国企業が興味を示しているそうです。中国では7つの店舗、ネット販売のプラットフォームも持っていることから、一定レベルのハード・ソフトは揃っているといえます。

 

 METROは万得城の事業は撤退するものの、現金払いで持ち帰り(の ディスカウントショップ)スタイルの業務(コストコみたいな店舗)を発展させようと、昨年そのような店舗を12店開設しています。今般小売業務については徹底することになりましたが、現金払い持ち帰るスタイルの業務については影響はないとしています。しかしながら、これもまた業界筋からは厳しいのではないかと見られており、その理由としては、特に二・三線都市では伝統的な卸売市場は小商品市場の方が価格優位性を持っているからというものです。時代が変われば伝統的な卸売市場は小商品市場も淘汰されていくのでしょうが、それにはまだまだまだまだ時間が必要でしょう。

 

 中国での小売業は難しいといわれますが、そもそも一般的に小売業は本国以外の企業が成功するのが難しい分野といわれています。中国では今回の万得城やベストバイが撤退の憂き目にあいましたが、国美電器ですら香港にある6店舗をすべてクローズし、小売業務から全面徹底することを発表したばかりです。香港は一応中国の一部ですが、歴史的な背景から外国みたいな場所といえ、結局国美電器も香港では外国企業みたいなものだったのでしょう。蘇寧電器も2010年位香港に進出しており、3年間は利益を顧みないといっていましたが、今年で3年経過します。同業の国美電器が香港でこけてしまいましたが、蘇寧の香港はどうなるでしょうか。注目ですね。


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