呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

多国籍企業の外貨本部集中決済が開始

 12月3日に中国銀行が多国籍企業の外貨集中運営管理試点の取引を行ったと発表しました。取引内容は本部が上海にある中国海運集団の国外子会社が国内本部に資金を集中させたというもので、これと同時に国外メンバー企業の資金需要に基づいて、本部の資金を利用して貸出を行ったというものです。

 

 12月1日には中国工商銀行が中糧集団等の会社のためにやはり同じく外貨資金集中運営管理の取引を行ったと発表しています。

 

 これの何がすごいかというと、一般的な中国の外貨管理では輸出者が外貨代金を回収し、輸入車が外貨代金を支払うはずのところ、これらの決済を本部で集中して行うことができるようになり、なおかつ純額決済、すなわち差額決済(加工貿易で一部認められてた)もできるようになったことです。

 

 上記はいずれも中国内資の多国籍企業ですが、今後外商投資企業(もちろん多国籍企業の本部であることが前提)でも中国に関する資金でもクロスボーダーで行わざるを得なかった資金のやり取りが、中国国内で片づけることができるようになりますので、中国事業に関する資金が中国に集中するようになる可能性があります。今のところ細かなオペレーションの細則は正式には発表されていませんが、そのうちそれも発表されるでしょうから、一気にとはいかないまでも徐々に資金が中国に集まるようになることは考えられます。

 

 ただし、まずはそれができる企業は試点企業に限られます。しかしながら、銀行に関しては試点銀行というものがないようですので、資格を持つ企業がどの銀行を選ぶのかということで、銀行はそのポジションを狙ってその企業のメイン口座を獲得する動きがみられるようになるはずです。

 

 ついに時代もここまで来ましたね。外貨資金をグループで管理したいというニーズは聞いたことがありますので、それを考えていた企業は今すぐとはいかなくとも研究を始めるようになるはずです。銀行のそのあたりの情報提供を今の段階からしていくでしょう。外貨のグループ集中管理ができるようになったとすると、次は連結納税あたりできるようになってくるとさらに中国本部の機能が強化されていくようになるでしょうから、これもそう遠くないうちにできるようになるかもしれませんね。


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