呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

深圳前海金融特区における海外人民元調達

 先月香港貿易発展局に招かれて日本でセミナーをしたのですが、その時に他のスピーカーの方(香港貿易発展局のエコノミストのエドワード・リャン氏)が深圳と珠海の真ん中あたりにある「前海」という特区のエリアについて紹介していました。金融面で結構開放的な政策がとられるとのことなのですが、最近当地の新聞でも紹介されていましたちょっとそれを紹介します。

 

 現在「前海人民幣双向貸款細則」なるものが起草されており、今月中にも公布されることになりそうだそうです。この通達名の通り人民元が双方向に貸し出しを行うことができるようになるということなのですが、つまり中国から海外へ、海外から人民元を「前海」というエリア内に対して貸し付けることができるようになるということです。これで何がいいかというと、例えば現在中国の人民元貸出基準金利は6.31%ですが、これが香港から調達できるとなると約4%での調達が可能となるのです。香港では人民元であっても基準金利は適用されませんからね。ただし、どこでもかれでもできるわけではなくて、香港の金融機関でもその資格をもらえるところとそうでないところが出てくるでしょうし、金額にも限度額が設けられ、またその貸出という行為自体の審査権限についてもその細則の中で謳われるとのことです。また、調達する企業側も申請を提出し、監督管理部門の認可を受けてから香港の銀行より借入を受けることになるだろうとのことです。

 

 外資の場合は投資総額と資本金の差額の投注差という枠の中で海外調達が認められており、「前海」であっても普通に物事が進めばその制限を受けることになると思うのですが、そもそも貸出に代表されるような資本取引の制限を緩和しようという試みであることから、「前海」に関しては投注差の枠が外されるようになると考えないとせっかくのとっくの意味がないでしょう。

 

 こういった金融特区を目の当たりにして、多くのファンド会社も設立されており。、資産管理会社もすでに十数社設立されております。10月末時点で設立の批准を受けた企業はすでに130を超えており、その多くが金融業です。

 

 細則が公布されるのが待たれますね。


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