呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

上海の家賃がどれだけ上がっているかをデータで検証

 最近やたらと家賃の引き上げが激しいという声をききます。やれ20%上げられたとか30%上げられたとか、結構な上げ幅を迫れてているようですが、果たしてどの程度上がっているのか、データで見てきましょう。ここでは上海の中でも特に日本人が多く住んでいる長寧区のデータを見ていくことにします。あらかじめお断り申し上げますと、あくまで平均値でありますので、駐在員が居住する高額物件から、現地採用が住むリーズナブル物件が混じってしまっていますが、参考にはなるかと思います。

 

 では、2015年4月から今年4月までの平米当たり単価の推移を見ていきましょう。これは供給側の数値ですが、81.74元から94.14元まで上がっているので、約15%上がっていることになります。あくまでこれは平均値なので、20%や30%の引き上げを迫られているところがあっても不思議ではないでしょう。こんなペースで上がっていくと、駐在会社の社内規定で定められている家賃基準を変えていかないといけないでしょうし、変えていくとしてもこの上げ幅に応じて基準を変えられる会社もそんなにないのではないでしょうか。そうなると賃貸期間が満了するたびに家賃があげられ、それに対応することができず会社の家賃基準に合う物件を新たに探しなおすという人も多いのではないかと思います。

 

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 しかし、年間15%とはこれまた大きな数値です。今年3-4月は下がり基調にありますが、それでも小さな数値ではありません。物件価格も上がっているので、家賃が上がるのも当たり前といえば当たり前なのですが、物件価格対比賃料利回りが異常に低いのが中国の不動産相場の特徴。物件価格と賃料を照らし合わせて、果たして回収までにどの程度の回収機関が必要かというランキングを見つけました。私が銀行で金融庁検査を行っていたときは不動産賃貸業はキャッシュフローで借入金を何年で返すことができるのかを25年を目安に債務者区分を判定していましたが、下表にあるトップの虹橋新天地の18年、これはそれなりの物件といえるでしょう。ところが、それ以下はすべて25年以上、一番下はなんと48年、物件価格に対する賃料利回りでみた場合、ほぼすべてが不良物件ということになります。

 

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 不良物件でなくするためには、算数で考えると物件価格が下がること、あるいは家賃が上がること、どちらかが必要になってきますが、現在の賃金水準に対する家賃、あるいは物件価格からすると、物件価格が下がるべきはずであると思うのですが、それが修正される気配は今のところ見られません。まあ、ずっと前から言われている問題なので、簡単に修正されることはしばらくないでしょう。不動産バブルが崩壊しない限り、この数値が是正されることはまずないのではないでしょうね。


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