呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

広東省で労働者に対する罰金が禁止の方向へ

 広東省で労働者に対する罰金を禁ずる条例の公布が検討されています。《広東省労働保障監察条例(改正草案)》の中で、「雇用者は規章制度を制定する等の方式を通じて労働者に罰金経済処分を実施する場合、人力資源社会保障行政部門が期限を切って是正を命じる。紀元を超えて是正されていない場合、一人当たり2000元以上5000元以下の標準で処罰を行う。労働者に損害をもたらす場合、賠償責任を負わなければならない。」という文言が入っており、これが成立すると労働者に罰金を科すことができなくなってしまいます。以前は罰金を科す場合の根拠が一応存在しており、1982年に公布された《企業従業員賞罰条例》という行政法規の中で、「従業員がしばしば遅刻、早退、無断欠勤、仕事を怠ける場合、雇用者は経済処罰を科してよい」というルールが存在していたのですが、同条例は2008年に廃止されてしまい、全国的なルールとしては罰金を科す根拠というのがなくなってしまってます。しかしながら、実務上の必要性から企業が罰金を科すことに対して地方性法規が公布されているような地域もあります。例えば、2008年に施行された《深セン経済特区和諧労働関係条例》において、雇用者は従業員に経済処罰を科することができるが、同時に処分金額は労働者の当月給与の30%を超えてはならないというものがあります。深センも広東省なので、冒頭に紹介した改正草案が通過してしまうと罰金制度を維持することができなくなってしまいます。そもそも《企業従業員賞罰条例》が廃止された時点で罰金制度そのものが本来はもうダメなのではありますが。

 

 罰金制度とだけ聞くと印象は悪いですが、ワーカーの職務意識に対するレベルの差が激しいためオペレーション上はあった方がいいと思います。上海界隈でも罰金制度がある工場は結構あると思います。私が過去接した日系工場で導入しているところはありましたし、管理者として効果はあると認識されていました。2008年よりスタートした労働契約法もそうですが、従業員のレベルが一定以上であればともかく、そうでない現状においてかなり労働者寄りに作られている感は否めず、今回の改正草案もまたしかりです。改正草案が実現してしまうと企業にとっては労務管理が今までよりも大変になってきそうです。


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