呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国での日系ブランド車販売の落ち込み

 最近日中関係が荒れ模様ですが、容易に想像できるのが経済への影響です。新聞報道では初期の動きとして訪日観光の取り消しや通関に際しての日本製品に対する全面検査が見られるだろうという論調がありました。というか、訪日観光のキャンセルは既に発生していますし、通関が滞るという事態も既に発生しています。日系家電の販売量も大幅に下落しています。ある家電チェーン店では北京・上海・広州の8月の日系ブランドのてれびの売上高が大幅に下落しており、東芝▲40.31%、三洋▲44.32%、パナソニック▲23.41%、シャープ▲21.06%という結果が出ています。報道ではこれを尖閣問題と結びつけていますが、これだけ数字が落ちると確かにそうなのかもしれません。反日デモ関連の報道で日系ブランド車がひっくり返されたり燃やされたりというのが紹介されていますが、日系ブランド車の販売面でも影響が出ています。文字だけで説明するとわかりづらいと思いますので表にしました。

 

 まずはブランド別比較。

 

 

 

 トヨタの落ち込みが大きいです。その分をホンダが吸収している形ですね。これだけ見ると日系ブランド車というよりも個社の問題のようにも見えます。でもならして日系車というくくりで見るとほぼトントンか。

 

 次に国別比較。

 

 

 

 これは結構鮮明に出ています。マイナス指標が出たのが日系だけです。8月の伸びも他国ブランド車と比べてかなり少ないです。8月でこれなので今月以降はもっと厳しくなるのではないかと。

 

 識者によると日系ブランド車は時期的な問題もありプロモーション活動を積極的に行いにくかったのが原因だそうです。広告体制が悪いというよりも広告を出しづらい環境になってしまったということですね。今のままだと従来日系車に乗っていた人が買い替え時に他国ブランド車に乗り換えるということも考えられます。本当は日系車が欲しい人も出周りの目を気にして買うのをやめるという人も出てきそうです。沖縄の米軍基地問題で本当は残って欲しいと思っている人でも周りの目を気にしてそんなこと言える雰囲気にないような感じでしょうか。

 

 ここまで来ると一企業だけの対応ではなかなか難しいでしょう。例えばいくらCSR活動を行っていろんなところに寄付したりしてもそれが積極的に伝えられるともあまり思えないですし、結局いつまでたっても「日本車」という目で見られ続けるでしょう。

 

 今まで何回も似たような問題が日中間で起きてきました。年中行事のようなものと言えばそうなのかもしれないですが、今回のは一般人にも実際の危害が加えられているという点でやっかいです。過去に問題が発生した時と同じく時間とともに風化して行けばいいのですが。


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