呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

アディダスが中国でやっていること

 2011年に中国の中・小型都市で1000店舗を出店しましたが、今年さらに500-600店舗の出店を計画しており、二・三線都市はもちろんのこと、300-400店舗は三線以下の小型都市への出店にあてようとしています。東部および南部への出店スピードを緩めて、西部と西北部への出店を増やそうとしています。

 

 さて、アディダスが日常的に何をやっているかを見ていきましょう。

 

データ取集

 毎日75-80%の店舗の販売データを集計し、どの店舗で何がよく売れているかを分析し、消費者が欲しがっている製品は何かを調べるということをやっています。このあたりは店舗網を持っているところであればやっているところも多いのではないかと思います。

 

 中国の消費者は変化が速く、その変化について行く必要があります。一つのデザインが受け入れられる期間も短いようで、常にそれに対応していく必要があります。例えば、2012年の春夏物はほぼ終わっていますので、現在は過去5-6年の春夏販売のデータを集め、売れ筋を分析しています。そして過去の情報に基づいて、2013年の春夏のどのような商品を販売するかの予測を行っています。

 

消費者との交流

 有名人や影響力のある人と交流し、これからの流行のトレンドをキャッチし、それを商品企画に反映しようとしています。この他、市場調査を通じて一般消費者と交流を図り、何を好んでいるか、熱中しているスポーツは何かをキャッチアップすることを行っています。

 

現地ディーラーとの関係

 二・三線都市の店舗は大部分がディーラーが所有しています。四・五線都市になりますとディーラーは自ら出店する以外に、卸売も行っており、これを通じてチャネルの深堀につながっています。ディーラーにまかせっきりにしているわけではなく、よりうまく進められるようにマニュアルを渡す等して、よりうまくいくようにサポートを行っているそうです。このような小都市でディーラーがサービスを行っている店舗は今のところ非常に少ないものの、サポートを通じて規模を拡大し、2015年以降には四・五線都市から六線都市にまで広げていくことを計画しています。これだけの店舗網ですからすべてを自社で賄うのは当然無理ですし、このような地方の小都市で成功を収めるためには現地のネットワークを持つディーラーを活用するのは必須と考えています。

 

 以上を見ていますと、特に変わったことをやっているわけでもないですね。最近ある研究会に参加したのですが、その時の講師の方が、「マーケティングは当たり前のことばかり」と仰ってました。どこに問題があるかに気づく、その気づくことというのは言われてみれば確かになるほどと思うことばかりです。このなるほどと思うことをいかに実践に落とし込んでいくか、これが難しいというのもまた事実です。海外でビジネスを行うという難しさ、そして世界中からプレーヤーが集まっている中国マーケットという難しさ、これらをクリアしていく醍醐味を味わっていきたいですね。


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