呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

医薬品企業のM&Aが増加中

 《薬品生産品質管理規範(2010年改正》の規定に基づいて、2011年3月1日以降の新たに設立する薬品生産企業、薬品生産企業が新たに建設する作業場は新GMP(医薬品や医療用具、食品などの安全性を含む品質保証の手段として、工場 などの製造設備(ハード)およびその品質管理・製造管理(ソフト)について、事業者が 遵守しなければならないことを明確にした基準のこと)の要求を満たさなければならず、現在の薬品生産企業の血液製品、ワクチン、注射剤等の無菌薬品の生産については2013年末までに新GMPの要求を満たさなければならず、その他種類の薬品の生産は2015年末までに同じく要求を満たすことが要求されています。つまり、要求を満たすことができない企業や作業場については、期限到来後は継続して薬品生産を行うことができなくなります。

 

 また、2012年に入ってからもGMP認証審査を強化する意見を発表しています。新基準の方が従来基準よりも厳しいものでるため、企業から見た場合はコスト増になります。そのため、資金繰りが楽ではない中小レベルの企業は今後の見通しを立てづらくなっていく訳ですが、この影響で2011年より中小の製薬企業の持分譲渡が増加しているそうです。2011年1月から2012年7月までで中国国内医薬業界は90件を超えるM&Aが行われており、そのうちA株の薬品企業が行ったものが80%に達します。

 

 このようなM&Aの流れは国としては意図している方向にあると言えます。《医薬工業「十二五」発展計画》によりますと、2015年までには販売収入が500億元を超える企業が5つ以上、100億元を超える企業が100以上、トップ100企業の販売収入が全体の50%以上に達することが目標として書かれています。ということは、今後中国地場企業の規模、力量がどんどん強化していくことになると思われます。中国の薬品業界では今年重金属が多く含まれるカプセルを使用した薬品が出回ったという問題が発生したように、まだ少し問題のある業界といえるかと思います。そんな状況ではありますが、一方で新GMP認証審査を強化していくというように、政策面では厳しくしようとしています。まあ、中国の場合は政策が厳しくともその適用は外資にだけ厳しかったりというケースがありますが、だからといって本当に伸びたいと思っている企業であればそんな状況に甘んじるのではなく、乗り越えようとしてくるでしょう。上述したM&Aの流れなんかその一つかと思います。また、日系企業にとってはそんじょそこらのいい加減な会社じゃなくてこのような乗り越えようとしてくる企業こそが競争相手であるはずです。バカにしたくなる企業も多いですが、まじめな企業も増えてきています。中長期展望を見据えるうえでは欧米系だけでなくて中国系企業の研究もしていく必要があるでしょう。


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