呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

クレームするならブラックリスト入りを覚悟

 一般的にサービスのレベルは中国より日本の方が上だと認識されていますが、中には中国で行われているサービスは極めて高レベルで、日本企業以上のサービスレベルだと紹介されている例があります。代表的なのがレストランの海底撈ですね。色んな所で紹介されているのでここではあえて説明しません。逆にちょっとこれ何とかしてよと思うのが航空会社のサービスだと思う人は少なくないのではないでしょうか。中国の飛行機はとにかくよく遅れます。遅れるなら遅れるでちゃんと説明すればいいものの、たいていのケースでは大した説明がなく、いつごろになるかという目途の説明もなく、とにかく天候要因、管制塔指示要因が水戸黄門の印籠よろしく言い訳として使われます。本当にそれが原因であればいいのですが、とにかく説明があまりにも不足しているので、これがまた乗客のヒートを買ってしまうのです。私もいくらなんでもそれはないだろうということでついつい声を荒げてしまったこともあります。

 さて、今日は春秋航空の件について紹介します。春秋航空といえば日中間の最初のLCCとして有名で、観光客のみならずビジネス客の利用も少なくないそうです。茨城便なんてのは非常に便利で、茨城と聞くと非常に遠いように思えますが、リムジンバスに乗ると90分で東京駅に到着します。成田-東京駅間とほとんど変わりません。しかも成田-東京駅間のリムジンバスが3000円に対して、茨城-東京駅間はたったの500円です。いかにリーズナブルかわかります。もちろんLCCなので、荷物をあまり多く持っていけないという難点がありますが、安価であることの対価なので当然と言えば当然でしょう。

 このように、華々しくスタートした春秋航空ですが、中国においてクレームしてきた乗客をブラックリストに入れてチケットを買うことができないようにしているという話が出ています。そもそものきっかけですが、ある日「天候要因」ということで飛行機がなんと8時間も遅延しました。中にはかなり激しく抗議した人が出たようです。気持ちはわかります。そもそも私も「天候要因」で8時間遅延なんてありえないと思います。そんなに天候が悪ければキャンセルにすればいいのです。以前一度北京から無錫に行く飛行機が天候要因でキャンセルになったことがありましたが、確かにものすごい豪雨で、さすがに納得のフライトキャンセルでした。ですので、天候要因で8時間遅延なんて、そりゃあないでしょう。おそらく事情説明も納得できるものがなかったのだと思います。繰り返しますが、一般的に航空会社はフライト遅延に対する説明というのはかなりテキトーです。春秋航空のこの件は結局その場で乗客に200元補償するということで決着したのですが、この時にクレームした人が今度また春秋航空のチケットを購入しようとしたところブラックリストに入っているという理由で購入することができなかったのです。この人が春秋航空に電話したところ、「春秋航空はLCCなので、いかなる原因で遅れたとしても賠償はしない。もし賠償した場合、ブラックリストに入れ、サービスの提供を拒否する」と回答されたとのことです。ちょっとこれナメてますよね。そして、もしブラックリストから外して欲しいのであれば、「二度と過度な権利主張をしないこと」を承諾する必要があるとのことです。ナメてます。そういえばスカイマークでも似たようなことがありましたね。しかし、クレームする奴は客じゃないというこの態度、まあ確かにめちゃくちゃ言ってくるような輩はともかく、その前にそもそもフライト遅延時の航空会社の態度はかなりなってないというところにも原因があると思います。しかも天候要因で8時間の遅延なんてナンセンスです。こんな理由でのブラックリストはそういえばほかの中国系航空会社でも聞いたことがあります。

 中国ではサービスをよくするだけでまだまだ差別化できる環境にあると思うのです。もちろんサービスが全然できてなくても価格が安いからということでそれを受け入れる人もまだまだ多いですが。確かに中国の航空会社に対してかなり激しくクレームする場面はしばしばみられますが、まずはクレームを起こさせないこと、クレームが起きれば真摯に対応すること、それしかないと思うのです。まして、一般的には中国のサービスレベルはまだまだ低いので、いわば最初からクレームを拒否するようなこのような姿勢は今後のサービス上昇に影響するのではないかと思うのです。春秋航空といえばいままでずっと明るいイメージを持っていたのですが、今回のこの対応に関しては非常に残念ですね。


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