呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

カルフールがリベートの最低保証を一部で撤回

 中国の小売業者がサプライヤーから入場料なるものを徴収していることを知っている人は少なくとも現場にいる人ならだれでも知っていることだと思います。棚に商品を置いてもらうためにこの入場料なるものを支払わないとそもそもスタートラインにすらたどり着けないというものです。これに加えてリベートが発生するのですが、このリベートも小売業者が要求する売り上げ目標を達成しなかったとしても最低保証のような感じであたかも目標を達成したのと同じ水準でリベートを支払わされます。しかしながら、少し動きが出てきました。

  

 5月20日にカルフールが20社のサプライヤーとの間で締結している契約に対する補充契約を締結したのですが、この中にサプライヤーが年間売り上げを達成しなかった場合、従来であれば達成したのと同じ水準でリベートを支払っていたものが、この補充契約により実際の売上高に応じたリベートを徴収するという内容に変更されたというのです。また、売り上げ目標に達しなかったサプライヤーから最低保証見合いで過剰に徴収していた、すなわち実際の売上高に応じたリベート以上に徴収していたリベートを返還することにも同意しました。従来の中国の小売業界の構造からするとあまりにも画期的な動きです。今のところこのような補充契約を締結したのは北京地区の20社に過ぎませんが、この動きが全国的に広まる可能性もあるようです。

 小売業者がサプライヤーからなんやかんやと費用徴収するのは問題だということで、この辺りの調査がずっと行われていますが、それを受けての措置といえるでしょう。カルフールとしてはこれにより利益率が下落してしまうのは言うまでもありません。そうでなくても賃料や人件費コストの上昇により利益率に影響する中、サプライヤーに対してこのような措置が取られるというのは非常に画期的であります。果たして今後カルフールはどの時点で同様の措置を全国的に適用するのか、また他の小売業者も今後同じような措置を取るようになるのか、このあたり非常に気になります。販売力のあるカルフールがこのような措置を取れば他の小売業者も追随せざるを得なくなるでしょう。中国の小売の構造が大きく変わるきっかけになるかもしれません。


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