呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

上島珈琲の凋落

 ここでいう上島珈琲は日本のUCCではなく台湾や中国にあるUBCのことを言います。1998年に中国大陸に進出して以来今日既に3000店舗ほどありますので、知っている人も多いかと思います。いまでこそスターバックスやWAGASのような喫茶店がたくさんありますが、10年くらい前はコーヒーショップといえば上島珈琲といってもよかったのではないかと思います。スターバックスやWAGASの台頭してきたこともあって最近の上島珈琲はちょっと魅力が薄れてきているように思います。なんか喫茶店にしては雰囲気が暗いのです。なんというか、愛人との密会場所のような雰囲気というか。でも郊外に行くと上島珈琲や上島珈琲もどきはけっこうありまして、それなりに需要はあるのだと思います。地方に出張したりすると喫茶店自体が少ないので上島珈琲or上島珈琲もどきがあると結構便利なのです。

 

 この上島珈琲ですが、フランチャイズ展開して多くの店舗があるわけですが、加盟店に対するコントロールが同も聞いていないようです。例えば、実際にあった話のようなのですが、とある上島珈琲でプリペイドカードを作った人がいます。私は上島珈琲では作ったことはないですが、別のところで作ったことがあります。今回のケースですと5000元を支払うことで8000元使用できるカードなので、かなりのお得感があります。ところがこのカードを購入した店舗が閉店してしまい、他の店舗で利用しようとしたところ、「それはその店舗だけで行っている行為で、本部とは関係ありません」と言われたそうです。となると、このカードは紙くずですよね。上島珈琲ではこんな事件があちらこちらの都市であるようです。上島珈琲のオフィシャルサイトでは既に2007年12月の時点で「加盟店に対してプリペイドカードの発行を受験しておらず、それはあくめでその店舗単独の行為であり、それにより生じるトラブルについては当社は一切の責任を負いません」というないようの声明がでているとのことです。というか、相当な上島珈琲ファンでもない限りそんな声明に気づくことはないでしょう。声明にあるように、上島珈琲もプリペイドカードの実態は知っているのですが、黙認しているのです。上島珈琲本部が統一して発行するプロぺいどかーどもあるそうなのですが、自分でやった方がもうかるからということで、各店舗が勝手にやっているのです。フランチャイズ本部のグリップが全く効いていません。これだけグリップの利いていないフランチャイズはどうもコーヒー業界くらいのようです。なかには洗脚(足を洗う)サービスまで行っているところもあるようです。コーヒーを飲みながら足を洗ってもらうイメージがちょっとわきにくいですが。

 そもそも上島珈琲は冒頭に書いたように1998年に中国に進出したのですが、8人の株主が中国を8つのエリアに分けてくじ引きでどのエリアを担当するのかを決めたということで結構笑いのネタになっているようです。私は知りませんでしたが。その当時から商標をどう管理するか、みんなの権利義務の範囲をどこまでにするか、将来的に会社をどういう方向に持っていきたいのか、こういったあたりをはっきりと決めないままスタートし、たまたまフランチャイズが大当たりして多くの店舗が出店してしまったということのようです。株主の中には自分で上島珈琲もどきの喫茶店を始める人もおり、それはなぜかというと、自分が頑張っても上島珈琲全体の利益だが、もどきが頑張るとそれは全部自分の利益になるという考えからのものでした。これによって派生してできたもどき版に「迪欧珈琲」、「風雅老樹珈琲」、「両岸珈琲」といったブランドがあり、特に「迪欧珈琲」は「米蘿咖啡」というブランドと「上島珈琲」のブランドを持っており、「迪欧」が400店舗に対して「上島」が250店舗という逆転現象が起きてしまってます。かなり乱れてます。

  

  結局のところ今こんな状態になった原因はいまさらながらということではありますが、一番最初の時点で「決め」をきっちりと決めなかったことに尽きるのではないかと思います。特にフランチャイズなんて「決め」をしっかりしないと加盟店が乱れてしまいますし、実際に乱れてしまっています。最近上島珈琲側も問題意識を感じており、直営店を増やしていったり、業績の良い店舗を共同経営するという方向を進めようとしていますが、結構乱れてしまってますので、果たしてどこまで立て直しができることやら。まあ、上島珈琲ってこんなもんさと思えば消費者目線から見ればあんまり関係のない話かもしれません。


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