呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

定点薬局での非薬品の販売が禁止の流れへ

 中国の薬局には医保定点という資格を持つ薬局があります。日本に健康保険証があるように中国では医療保険カードというものがあり、医保定点の資格を持つ薬局では医療保険カードを利用して薬を買うことができます。

 

 看板に「医保定点」という文字が見えますよね。

   医療保険カードです。

 医療保険カードは社会保険費から積み立てられており、薬を買う際には医療保険カードに積み立てられているお金が引き落とされます。最近どういう動きが出てきているかというと、医保定点資格の薬局では保健品や日用品を販売してはならないというお達しが出ている地域があります。なぜそのようなお達しが出るかという、本来医療保険カードは薬品を購入するにあたって利用されるべきものであるにもかかわらず、非薬品を購入する際に医療保険カードを使用するケースがあまりに多いことによります。このようなお達しが出ているエリアとして遼寧省、江西省、成都といったところがあります。実は医療保険カードを使用して非薬品を購入する人はたくさんいるようで、とある薬局の例が紹介されていたのですが、薬品と非薬品の販売利率が7対3で、そのうち保健品は総額の7-8%を占めているそうです。仮に医保定点薬局で非薬品の販売が禁止されることになりますと単純に3割の売り上げ減となり薬局経営としてはかなりの大ダメージになってしまいます。というか、そもそもやってはいけないことをやる薬局が多かったので、それを厳しく取り締まるというだけの話ですから、まじめにやっているところからすると迷惑この上ない話です。ではいままで医保定点薬局で購入されていた非薬品のシェアはどこに流れているのでしょうか。単純に考えると医療保険カードをそもそも使えないところに流れていくことになるでしょう。そういうことですので、医保定点薬局以外の普通の薬局に流れるというのがまず考えられます。この他だとワトソンズのようなドラッグストアですかね。さらに付け加えるとネット販売かな。ネットで購入する薬品も保険は適用できないですから。

 しかしこちらの薬局のオペレーションはやっぱり甘いと思います。例えば医師の処方箋が必要な薬品があるとします。でも買えてしまう薬があります。薬局で購入者が名前と連絡先を描く必要がありますが、別に本人確認をするわけでもありませんので、まあはっきりいってザルですよね。

 中国では医薬分業がまだこれからの段階であり、今後どんどんその方向に向かって行きますが、保険適用のできる定点薬局はますます重要になってきます。成都あたりでは違反した薬局に対して定点資格を4年間停止するという厳罰を下すそうですが、確かにここいらあたりがきっちり取り締まってもらっといたほうがいいですね。


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