呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

ショッピングセンターがどんどんできている

 CBリチャードエリスが世界の小売業について調査した結果によりますと、全世界ショッピングセンター建設規模十大都市のうち、なんと8つが中国で、そのトップ3は天津、瀋陽と成都とのことです。そして成都はショッピングセンター建設で忙しい都市の第3位にランクされており、2011年末時点で成都の商業総合帯プロジェクトは100を突破、その大多数が10万平方メートル以上で、今後2年間で1000万平方メートル以上の商業プロジェクトが完成する見込みです。成都の周辺地区を含めた1000万あまりの人口を鑑みますと、一人当たり1平方メートルにもなります。

 ちょっとのこのレベルになると異常ともいえるかと思いますが、これだけ建設する背景としては、①住宅不動産の調整後の投資方向の転換、②ディベロッパーが焦り過ぎ、③行政成績アップ、等の多くの原因があると言われています。アウトレットなんかもかなり増えてきておりますが、中にはアウトレットによる小売そのものではなくて土地転がし的なものもあると言われています。要するに基本的な構造は全く変わっていないということが言えます。ここでいう基本的な構造というのは不動産でいかに稼ぐか、地元に大型プロジェクトを導入することで成績を上げる、といったものです。

 もちろん作ったら作っただけ集客できれば問題にはならないでしょう。最初にできたばかりの時にガラガラだったショッピングセンターでも今では多くの人でにぎわっているところもあります。上海でいいますと中山公園エリアにある「龍之夢」というショッピングセンターがありますが、最初が店舗の入居率も悪くガラガラだったのが、いつのまにかものすごい人でにぎわうようになってきています。上海でもショッピングセンターはどんどん建設されており、たとえば日本のしまむらが入居したところもつい最近できたばかりのショッピングセンターです。

 

 見た感じなかなか良さげです、近いうちに行ってみたいと思いますが、近くに地下鉄駅がないのが結構なハンディキャップの立地かと思います。将来的に近くに地下鉄駅ができるという話はあるそうですが。

  さて、こんなにどんどん作って大丈夫なのという声が聞こえてくるわけですが、同じようなコンセプトのショッピングセンターばかりが増えてしまう、入居募集能力が劣る、市場ニーズと比べると過大、といった問題が顕在化してもおかしくないといえます。いまはまだまだ消費意欲が旺盛ですが、どこかの段階で頭打ちになるとつくってしまったショッピングセンターはどうなってしまうでしょうか。オフィスビルも同じ状況かと思います。今はまだ景気が良くてこれだけ供給されてもそれを受け入れることができるマーケットであるといえるわけですが、日本でもバブル期にできたものが今ではなくなってしまっているものが少なからずあり、それの二の舞になりやしないかという懸念ですね。バブル期真っただ中だとそういう意識を持ちづらいのですが、中国は今はまさにそういう時期なのでしょう。


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