呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

家電メーカーの痛し痒し~ネット販売は無視できないが~

 多くの家電メーカーがネット販売を行っています。天猫電器城(タオパオモール)でみますと、2011年末時点でデジタル家電業界だけで1万社近くになっているそうです。トップ3にランクされる店舗ではネット販売の業務量が全体の40%以上を占めるとこともあるとのことです。しかしながら課題もあります。メーカーが出展した場合に遭遇する問題としては、価格の問題があります。ネット上の価格と実体店舗の価格が同じだと、ネット上では価格競争力が全くないという問題があります。ネット上だと価格比較がしやすいことと、どこもかしこも価格勝負をしているのでどうしても価格面でついていかざるを得ないという点です・。天猫の例を見ますと、メーカーが直接ネット上で出店した場合、同じ製品は実体店舗での価格より15%以上も安くなっている例があります。「線下体験、線上購買」(オフラインで体験し、オンラインでショッピングする)という消費スタイルが見られます。店舗で実物を見て確認し、価格に安いネットで購入するというスタイルです。当然実体店舗側は非常に不満に感じます。既に上海の書店では店内で写真を撮ることを禁止するところも現れています。書店で実物を写真に収めて後からネットで買うというような行動を防ぐためです。これを読んでいる人の中でも同じような行動をとったことがある人は少なくないのではないでしょうか。とあるメーカーではネットショッピング部門の担当者が何回も変わっているのですが、それはなぜかというと実体店舗側の圧力によるものだそうです。要するに邪魔しているわけです。ネット販売は無視できない、でも価格を下げないとネットで売れない、ネットで売れると実体店舗で売れない、ちょっとしたカニバリズムです。

 このような価格競争に巻き込まれないためにとられている方法として、天猫網購の総裁はアイデアとして二つ挙げており、一つ目はネット上でネットショッピング用の商品を販売するというものです。既に一部の日系を含む40余りの家電メーカーがこれを始めており、売れ行きも上々だそうです。このほかとしては組み合わせ販売をしたり、販売時期をずらすという方法についても紹介しています。以前某日系顧客にお話を伺ったことがありますが、そこではネットショッピングの単価が低く、正当な価格での販売が難しいため、売れ残り品をネットショッピングに回しているというのを伺ったことがあります。

 ネットショッピング用の商品も確かにいいとは思いますが、とにかく競争が激しい市場なので、結局はどこかがフライングして実体店舗で販売している商品にまで影響するのではないかと思います。それくらい競争は熾烈ですからね。


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