呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国アパレルブランドの在庫が増えている ~特歩~

 さて、今日は特歩というブランドについて紹介します。2001年に設立されたスポーツファッションブランドです。中国に住んでいる方はこの会社のロゴくらい見たことがあるでしょう。

 

 

 この会社が最近発表した財務情報によりますと在庫が8.87億元でなんと前年比92%増、ちなみに匹克が41%増、安踏も20.3%増とうことですが、特歩の在庫の増加幅はあまりにも突出しています。在庫が多くなると当然不良在庫の比率も上昇してきますし、現金化できていないということで当然のことながら資金繰りに影響してきます。この問題に対して同社の財務総監は発注を減らしたり出店スピードを緩めたりすることを通じて在庫をコントロールし、将来的には在庫の引き取りや店舗のクローズを抑えていきたいとしています。2012年の売り上げの伸びももともと15%としていたものを一ケタ成長に押させ、出店についても800-1000で考えていたのを400程度に押さえようとしています。 

 東興証券という会社のアナリストによりますと、2007-2009年に集中的に上場した中国スポーツブランドの店舗数は2万店近くになっており、これは2006年末と比べると倍近くになっています。要するに増えすぎたということですね。同じようなブランドが増えすぎたこと、拡大した割には売れなかったことから在庫も増えてしまったというように見ています。こんな状況ですが値上げはしていくようで、コストがし上昇しているという事情があることと、また今後は量と価格をともに大きくするというよりは価格の上昇を主として行くだろうとみているとのことです。コスト上昇はわかりますが、それを上回るような値上げは今のブランド力で大丈夫なのでしょうか個人的には思います。

 この他にはZARAやユニクロといったブランドに食われている部分もあるということが指摘されています。ナイキやアディダスの二大巨頭と比べてどうしても中国ブランドはブランド力が弱いという問題もあります。外国人はまず買わないでしょうし、中国人も同じ買うならナイキやアディダスなんでしょう。中国ブランドの問題としてよく「同質化」ということが言われており、要する同じようなものばかりで違いが分からないということなのですが、それもそうなのですが、ナイキやアディダスみたいなメガブランドを前にしてはこの分野での中国ブランドはしんどいんじゃないでしょうか。別の分野を考えればわかるかと思うのですが、ネット販売なんかがそうですが、タオパオや京東みたいなメガサイトがいるなかで、外資のネット販売の多くが苦戦しています。メガがいったんできてしまうとそれをひっくり返すのは大変ですね。


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