呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

ネットショッピングモールへの出店も楽じゃない

 中国のB2Cショッピングモール(プラットフォーム式を含む)でのシェア最大はタオパオモール、二番手が京東商城というところです。2011年上半期で見ますとタオパオだけで約半分、京東商城が2割弱のシェアとなっています。

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 こういったところを販売チャネルとして活用することを検討しているところもあれば既に活動しているところもありますが、一般的にはネットショップのほうがコストが安くつくと思われています。たんに出店するだけであれば確かにそうですが、ネットショップを以下に気づいてもらうかという課題が別にあります。ここでは出店コストに焦点を当てます。量販店に商品を供給するに当たり、中国では入場料やらその他何かと名目をつけてはいろんな費用を徴収されるという慣行にありますが、なんとネットショップにも似たような構図があるのです。メディア報道で京東商城のケースがとりあげられていますので、それを紹介します。

 B2Cモールとサプライヤーとの間の契約ですが、量販店に対して入場料等を支払うのと同じような感じで粗利益の保証や、サービス費用等を徴収しており、京東商城、当当網、アマゾン、天猫網(タオパオのB2Cモールの新名称)のいずれも料率は異なるものの徴収しているとのことです。

 京東商城では有名ブランドには前払いをしたりその他色んな優遇条件を提示して入ってもらっているのですが、一方でそうでないブランドに対しては異なる対応をしており、支払いも1-2か月待たされることもあるようです。そして契約書の中にこんな条件まで含まれています。

・京東への供給価格は他への供給価格を上回ってはならない。これに違反した場合、購買金額の5%を補償として徴収。

・同一または類似したショッピングサイトでの最低小売価格が京東の販売価格を下回っている場合、京東はサプライヤーに通知してその価格に合わせる権限を有する。

・京東の粗利率が15%を下回る場合、サプライヤーは不足部分を補償として翌月以降京東商城に対して翌月以降に現金支払いまたは控除の形で決済する。

 なかなか厳しいです。京東商城の他にもある大型デジタル家電のショッピングモールが同時に当当網にも商品供給しているサプライヤーに対して、

・当当網での販売価格が当ショッピングモールの販売価格を下回る場合、サプライヤーに対するすべての決済を停止する。

 いやあ、かなり凶暴な表現ですねえ。

 京東商城がこのような覇道条項(横暴な条項)を盛り込む原因として3つ挙げられています。

1.粗利率が低すぎること。

2.短期内に覇道条項を通じて粗利率を引き上げ、IPO機関の印象をよくしたいこと。

3.自身の物流コストが高すぎるために高コミッションでバランスをとる必要があること(京東は自社で物流を構築している)。

 このような厳しい条件ではあるものの、サプライヤーの声としては、「量販店向け販売よりまし」ということで我慢しているようです。

 中国の小売業ってどうしてもこうなるんですねえ。この間中国最大の外資スーパーの大潤発(台湾系)の人と話したのですが、「台湾では入場料を取っていないが大陸では取っている。もっともうちの場合はカルフールみたいな金額はとってないけどね」と言ってました。量販店は量販店でコストがかかるのは知れ渡ってますが、だからといってネットも決してコストは安くないということもあらためて知っておく必要がありますね。


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