呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

老人向けベッド数を5年で倍増

 今年9月に発表された《中国老齢事業発展十二五計画》によりますと、2011年から2015年に60歳以上の老年人口が1.78億人から2.21億人に増加、つまり平均で毎年860万人増加すると紹介されています。そして2030年には老年人口が倍になるという予測が出ています。

 このような状況なので、今後5年以内にデイケア用ベッド数と機構養老(老人ホーム)のベッド数を今の倍である300万床にまで増やそうと計画しています。ベッド数というインフラは力ずくで改善できるとしても、一方でソフト面の問題があります。ソフト面とは介護人員のことです。中国の養老介護員は1000万人いるといわれていますが、資格を持ってやっている人は3万人に過ぎません。また、介護員の多くが40-50代のリストラされた人であったり、田舎からの出稼ぎ者であり、素養が高くない人が多いという問題があります。そのような人たちであることもあり、仕事がしんどい割には給与水準も低く、社会的地位も低いため、積極的に介護員になろうという人が出てこない状況にあります。日本もこの辺りは少し似ているかもしれませんね。給与水準が低いと書きましたが、全国的に見て2000元を超えている人は非常に少なく、お手伝いや育児士(こんな資格があるようです)でも3000-6000元もらっている人からするといかに待遇が悪いのかわかります。そのため、お金を払って育児士の研修を受けようとする人はいても、無料で介護士の研修を受けようという人がいないのです。

 ベッド数だけが増えても介護士というソフト面がついてこないと、レベルの低い従業員を抱えるレストランだけが増えていくようなものです。北京では介護士の資格制度を本格的なものにし、2013年位は全ての介護士が有資格者になることを目指しています。ただ、この手の研修は結構適当なものが多いので、有資格者が増えたとしても、ちゃんとしたれっべるにまで仕上げてもらえるかどうかという問題が残ります。ベッド数を増やすよりも難しい問題ですね。


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