呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

有機野菜 ~どこまで信じられるか~

 以前にも紹介したことがありますが、中国の有機食品について紹介します。

 

 消費者は無公害製品、緑色食品(無農薬もしくは低農薬、そして遺伝子組み換えでもない、すなわち自然で良質な食品のことを指します)、有機野菜の区別があまりついていないと思います。私も細かくは知りませんが、いちおう次のようなくくりになっています。

 

無公害製品 産地の環境、生産過程、製品品質が国家関連標準に符合し、認証証書を取得して無公害製品マークの使用が認められる加工を経ていないまたは初歩的加工を経た食用農産品。
緑色食品 特定の生産方式で生産し、専門機構の認定を経て、緑色食品マークの使用が認められる無汚染の食品。
有機野菜 農薬、化学肥料、激素、除草剤等の人口合成物質の使用が絶対に禁止。

 

 無公害製品は低毒化学肥料と農薬を使ってもいいのですが、農薬の残量が基準を超えてはいけません。緑色AA等級はいかなる有害化学合成物質も使用してはいけません。そして、有機野菜はこの二つよりももっと条件が厳しく、そもそも何も使うことはできないともいえます。畑も過去三年において農薬を使用したことのないような畑である必要があります。

 

 有機野菜と名乗るための基準はこれだけ厳しいわけですから、当然値段も高くなります。値段が高いということはそれだけ生産者としては儲けを狙うこともできるでしょう。有機野菜と名乗るためには認証を取得する必要があります。ところがこれがいい加減なところが多いといわれています。有機の認証機構のフィーの水準は大体2万元程度で、要する期間は1-3ヶ月程度です。ところが、いい加減なところは1ヶ月で全部済ませてしまいます。そういう業者の認証の進め方は次のような感じです。ちなみに中国の新聞記者の取材によるものです。

 

 認証は認証機構が行うのですが、これにコンサルティング会社がかんでいます。仲介するような形ですね。このコンサルティング会社が業務全体を請け負います。コンサル会社が人を派遣して畑を見に来る、要するに現地考査を行うのですが、これが一日もかかりません。というか、きて一目見るだけというのが正しいです。そして製品をコンサル会社指定の実験室にもって行き、実験室から有機検査報告を発行します。新聞記者が「これらの製品は大量に農薬を使っているので、有機と認められないのでは」と伝えたところ、「何も心配要らない、検査結果に手を加えるから」との返事。要するに改ざんですね。

 

 報告書が出来上がった後、コンサル会社は仲良しの認証機構と連絡を取り、そこで認証手続きが完了するのです、いちおうこの認証機構は正規のですが、現実はこんな感じのようです。認証機構も結局は依頼主からお金をもらっているので、生き残っていくためには甘くせざるを得ないといったところでしょうか。依頼主に厳しくいえない会計事務所のようなものといえばわかりやすいでしょうか。認証機構は23しかないのでなにも粋のころなんぞ考えずに清々とやればいいと思うのですが、そうはなっていないようです。

 

 スーパーにいくと有機野菜がいい値段で売られています。見せ方もきれいです。おいしそうですし体にもよさそうに見えます。でも実態はいい加減みたいなので本当の有機ってどれくらいあるんでしょうねえ。例えば、上海蟹も販売量が漁獲量の10倍あるといわれています。要するに胡散臭いのが90%占めているということなのですが、有機野菜も上海蟹バリに胡散臭いかもしれないですね。


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