呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

12月より増値税改革が上海でスタート

 増値税と営業税を一本化する増値税改革が以前からずっと言われていましたが、ついに12月1日より上海で試行されることになりました。まずは交通運輸業と一部の現代サービス業からスタートします。営業税を納付している納税者が原材料、生産設備、燃料等を購入した際に納付した増値税が控除できず、営業税と増値税の二重課税の問題がずっと指摘されていました。試行がスタートすると従来の営業税納付者も増値税を控除することができるようになります。要するに営業税という税目が増値税という税目に吸収されてしまうということですね。

 

 これに伴い、増値税の現行の17%と13%の税率に加えて、11%と6%を追加します。これはサービス業ではずっと営業税を納付してきたことにより、増値税の控除の流れが始まったばかりではスムーズに処理されないと考えられること、業種によって営業税の税率が異なること等により、生産性サービス業に対して一般製造業と貿易類企業の増値税税率と異なる増値税税率を設ける必要があると考えていることによります。ただし、今の段階で11%と6%がどれに対して割り当てられるのかは決まっていません。しかしながら、この二つの税率が現れることで、そもそもの増値税の税率が将来的に引き下げられるというシグナルではないかという見方もあります。

 

 増値税改革の大きなネックであった中央と地方の税収配分ですが、増値税は75%が中央、25%が地方に配分されています。営業税は100%地方に配分されています。そのため、営業税が単純に増値税にスライドしてしまうと地方の取り分が大きく減少することになってしまい、そのため地方は増値税改革に積極的になれず、これが増値税改革がなかなか進まない原因のひとつでもありました。しかしこれもあらたに増値税に変更される従来の営業税部分については地方に配分されることから、地方の税収に影響しないということになっています。つまり、ひとつの税目でありながら、その配分が業種によって異なるということになります。これって結構管理が大変かもしれません。いつものことではありますが、スタートし始めた時点で事務的にちょっとややこしい場面が出てくるかもしれませんね。


メルマガで最新情報をお届けします
「呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記」の新着記事をメールにてお届けします。今の中国ビジネスの実態をお伝えしております。
メールアドレス *
* 必須項目