呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国では外資銀行が預金集めに躍起

 中国では外資銀行が預貸比率75%必達に向けて預金集めに躍起になっているようです。預貸比率とは貸金を預金の75%以内に納めなければならないというもので、これは月末や期末に達成すればいいというものではなく、毎日がこの比率以内に収まらなければならないというものです。外資銀行が中国で現地法人化したことにより、外資銀行にもこの預貸比率を中国のルールにあわせなければならなくなり、その猶予期限が今年末までなのです。この比率を達成するためには簡単に言えば預金をたくさん集めるか、貸金を抑えるかということになります。

 

 新聞報道によりますと一部の外資銀行が金利を引き上げて預金集めを図っている模様です。欧米系の銀行でそれが顕著なようですが、具体的にはスタンダードチャータード銀行が最も引き上げ幅が大きく、元々の金利の1.18-15.83倍にまで引き上げています。香港ドルの預金金利を0.15%から2.375%、引き上げ幅は2.225%ですが確かに倍率は15.83倍です。名前の挙げられている銀行はほかにはHSBC、シティバンクがあります。KPMGが出したレポートによりますと、2009年末の時点の外資銀行の預貸比率の平均は149%、2010年末時点では102.46%で、全体で30行のうち半分近くの外資銀行が75%のラインをクリアできていませんでした。75%以下を達成していたのはわずか7行に過ぎませんでした。

 

 人民元預金は基準金利という基準で管理されているため、預金金利で顧客に訴えるためにはどうしても人民元のような上限管理をされていない外貨預金の金利を引き上げることによってアピールせざるを得ないことから起こっている現象です。

 

 外資銀行は年内にはこの75%という預貸比率を達成しなければならないため、この動きはしばらく続きそうに思います。借入に頼る必要のない企業にとっては預金金利という妙味がありますので歓迎できる動きといえます。一方でこの逆の動きの貸金すなわち企業の資金調達も難しくなってきているようです。企業にとっては資金運営上貸金の動きのほうが気になりますね。


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