呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

保健食品に関するルールが年内にも公布へ

 《保健食品監督管理条例》が年内にも公布することが見込まれています。中国の保健食品市場はいい加減なものも多く、こういったものを取り締まっていくことが期待されます。よくあるのが保健食品は食品の一種であり、疾病治療の効能を備えているわけでもないにもかかわらず、効能をうたっているというものです。

2007年度の保健食品業界の生産額は600億元、2008年度には800億元、2010年には2000億元以上に達し、毎年15%以上伸びています。このように成長している市場ですが、保健食品市場で生じている問題は大体次のものが挙げられます。

 

1.概念が希薄

 保健薬品と保健食品の境が明確でなく、「医食同源」の経験の影響から保健食品に役員的な色彩が含まれているケースが多いです。

 

2.誇大宣伝

 「豊」、「減」、「壮」の三文字に集約できるという言い方があります。「豊胸」、「減肥」、「壮陽」(精力をつける)の三つです。これらをうたい文句にした保健食品が非常に多いという問題があります。

3.参入障壁が低い

 参入障壁が低すぎて、管理が届かないという問題があります。

 

 こういった状況もあって、《保健食品監督管理条例》は非常に期待されているのです。2009年に《食品安全法》が公布されたときは結構話題になりましたが、その中で「国家は特定保健機能を有すると謳う食品に対して厳格に監督管理を実行する。(中略)具体管理弁法は国務院により規定する。」とありますが、今のところまだ公布されておらず、空白地帯のようになっています。なかなか公布されていない理由としては、監督管理の範囲について意見が異なっているという点です。保健食品が謳う機能について、審査を必要とするものはどれか、謳うだけでいいのはどれか、この調整ができていないようなのです。

しかし、年内に《保健食品監督管理条例》が公布されるということは、これの調整がようやく落ち着いてきたということなのでしょう。

 

 次に、ネット販売で売られている保健食品にも問題は少なくないようです。罰則は一応あるのですが、ネット販売にかかる広告費、つまる広告収入ですね、これが罰金よりもぜんぜん少ないのです。ということは、何もしないよりは罰金を払ってでも広告収入を上げたほうがいいという考え方になってしまいますよね。道義的には問題ですが。

 

 しかし、この問題も《保健食品監督管理条例》の中で、ネット販売のついては参入規制を強化し、ネットでの薬品販売のように販売許可証制度の導入も検討されているようです。

 

 日本にも多くの保健食品があります。現在の中国の保健食品市場は冒頭に紹介したように乱れ気味であり、それがゆえに日本の保健食品に対する影響もあったと考えられます(まあ、輸入品はなかなか認可がうっとうしいという問題はありますが)。そう考えますと、ルールが整備されることで市場の乱れが収まり、正当な商品が受け入れられる方向に向かっていくといえるでしょう。そうすると日本の、あるいは日系の保健食品にとっては明るいニュースといえるでしょう。

 

 個人的には保健食品のライバルは漢方薬なんじゃないかと思ってます。


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