呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

社会保険計算基数の上限撤廃 ~ 大連

 9月1日より大連で社会保険料が大幅に引き上げられることが発表されています。従来社会保険料の計算基数は基本的には従業員の賃金総額(前年度平均月額が一般的)に基づいて定められ、その賃金が平均賃金を上回る場合は300%を上限として基数とするというものでしたが、なんと大連ではこの基数上限を撤廃するという内容です。下の比較表をご覧ください。

 

  従来 9月1日以降
会社負担 個人納付基数の合計で決定 前月の従業員給与総額で決定
従業員負担 前年度月平均給与

 

 従業員負担部分は変更なしですが、会社負担が「個人納付基数の和」、すなわち300%の上限を勘案した上での従業員個々の基数の和から、「前月の従業員給与総額」、すなわち300%の上限など関係なく、単純に給与総額で決めてしまうというものです。

 

 基数が会社と従業員で異なり、従業員は変わらないものの会社負担分が増加する形になります。特に駐在員や給与水準の高い従業員を多く抱えている企業にとってはかなりの負担増になることはいうまでもありません。外国人に対して社会保険納付の義務化され、これにより給与手取り保障形態の多い駐在員にかかる会社のコスト増を年間80万円程度と試算したことがありますが、こと大連に関してはこの程度で収まらなくなります。中国人個人にとっては会社負担が増えるだけで自分の給与が直接的に影響を受けるわけではないためありがたい話ではありますが、会社としては急激なコストアップにつながるためたまったもんではありません。

 

 今のところこの考え方は大連だけのようですが、他の都市に波及しないことを祈るばかりです。


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