呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国でシーメンスによる贈賄が頻発

 腰痛のため机の座るのが苦痛で何日か会社を休む羽目になり、ついつい記事を書くのをさぼってしまいました。多少落ち着いてきましたので、またどんどん書き込んでいきます。

 

 さて、中国でビジネスをする上で「中国なら賄賂が必須で、賄賂さえ払えばなんとでもなる」というようなことを表現こと多少違えどいまだに言う人がいます。まあ確かに今でも存在はしていると思いますが、賄賂ありきの発言というのは気持ちのいいものではありません。さて、今日はシーメンスの事例を紹介します。中国の賄賂に関して調べるとシーメンスという銘柄はたくさん出てきます。結構やってます。

 

 では、今日紹介するものとしてまず一つ目。2012年の話ですが、欽州市第一人民医院の医療設備の入札で院長がシーメンスの職員に入札価格を教える見返りにお金をもらったというものです。取引は2回あり、賄賂で動いた金額は600万元と20万米ドル、この院長、この2回だけでざっと1.2億円くらい稼いだっていうことですね。商品取引金額はそれぞれ3640万元と900万元で合計でざっと6.9億円です。この取引金額に対して贈収賄金額が1.2億円はかなり比率としては高過ぎると思います。ちなみに贈賄したシーメンスの職員はこの取引により営業成績が高く評価されたのですが、職員自体はこの取引から金銭的に得るものはなく、むしろ借金して贈賄していたので、まあかわいそうな話ではあります。

 

 次に、今度は2014年から2015年にかけての話ですが、この期間におけるシーメンスに関係する病院職員への贈賄案件は19件にも達し、このうち16件はシーメンスの代理商が業務開発のために贈賄したもので、残り3件がシーメンスの職員が直接病院職員に贈賄したものです。

 

 ではなぜ代理商がここまでやらないといけないのかということですが、シーメンスの代理商に対するノルマが厳しかったということに尽きるようです。《シーメンス代理商社長のシーメンスへの公開書簡》(原文:致西門子代理商老板的公開信)というのが出回り、この内容というのが、次のような内容です。ちょっと固い翻訳になりますが、そこは許してください。

 
 多くの社長がシーメンスとのビジネスをこれだけ多く続けてきたが、予測できない、恥をしのんで日々を過ごし、満面血と涙で辛酸をなめた歴史であると反映している。シーメンスの代理商システムに入ってから、まず最初にシーメンスの無駄に大きな販売ノルマの達成を助け、無期限の虚偽契約を締結させられ、代金の10%を設備手付金として支払いさせられ、年度ノルマを達成するため、さらに追加であらたな虚偽契約を締結させられ、シーメンスに設備手付金を支払いさせられ、そしてこれが繰り返され、いまでは全国の代理商がシーメンスに支払った出荷できない設備手付金は数億元に達し、手付金を預けている期間は数か月から数年にまで至るが、シーメンスから利息さえもらえない。毎回の代理商大会で、シーメンスは30%、40%売り上げアップしたと誇るため、新たなノルマはこれよりも大きなものとなる。代理商はこのプレッシャーを受けるのだが、シーメンスは多くの設備発注を工場で生産開始すらしていないことを知るべきである。代理商と締結した販売契約のみに基づいて、契約金額の5%-10%の手付金を受け取り、これに基づいて契約金額の50%の業績収入を達成したと宣言し、社内で業績ボーナスを支給するが、税務的にも会計的にもこのような契約を会社の収入に計上するのは支持されないものであり、明らかにでっち上げだ。

 

 

 これって結構やばいのではないでしょうか。手付金だけで売上を計上していたということ?売掛金を先に計上していたということ?シーメンスともいう大会社が本当にこんな財務処理をしていたのでしょうか。

 

 この続きですが、なんとシーメンスはこれまで集めた手付金を没収するといったん決定したのです。この判断にまずびっくり。しかしながら、40にも達する代理商が手付金の返還を求めるべく連名でシーメンス幹部に書簡を提出し、最終的には返却してもらったとのことです。なんかここまでやると果たして誰が悪いのやら。代理商って嫌な役目(贈賄)を押し付けられる汚れ役であり、でもノルマ達成のためにはそこまでしないとなかなか難しい。シーメンスの医療設備を扱いたい業者はたくさんいると思うのですが、これが実態だと怖くて扱うことができないですね。代理商になることが一つの権益だと思うのですが、これが事実だとかなり厳しいですね。


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