呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

dicos、一線都市への挑戦

 中国にdicosというファミレス(があります。ファミレスといっても雰囲気的にはマクドナルドやケンタッキーに近いです。日本にはありませんし、中国でも市街地ではあまり見られず、むしろ郊外や地方に店舗が集中しているので、あまりなじみのない人も多いかと思います。台湾頂新集団の傘下企業で、今では中国全土で2000店舗以上あります。このdicos、地方ではよく見かけるのですが、とにかく都会には店舗が少なく、過去に何度か一線都市への本格進出をしてきたのですが、ことごとくマクドナルドやケンタッキーの牙城を崩すことができず、必然的に三・四線都市を拡大してきたという歴史があります。今のところ一線都市には70店舗程度しかなく、まずはこれを年内に100店舗まで増やしていこうというのが目標です。

 

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 そして、ここ最近マクドナルドやケンタッキーは食材問題が発生したこともあり、勢いが衰えており、dicosはこの機会をとらえて今度こその意気込みで一線都市への本格進出を図ろうとしています。一般的には一線都市から入り、その後二・三・四線都市へ拡大していくのがパターンだと思います。マクドナルドやケンタッキーもそうでしょう。ところが、dicosに関しては全くその逆を行く形になっています。慣れない市場への進出には苦労が伴うわけですが、お互いにベンチマークとなる企業があるので、相手のことをかなり研究していることかと思います。果たしてdicosの一線都市への本格進出はうまくいくでしょうか。これまた一般的に言われていることとして、一線都市には「三高一低」という問題があります。「賃料が高く、人件費が高く、食材コストが高く、利益率が低い」ことを指します。また、消費者もかなり変わってきているのではないかと。以前であれば要職に対するあこがれのようなものがあったかと思います。それこそ20年前であればマクドナルドなんてハレの日に行くようなお店だったのが、今ではあちらこちらに見られ、しかも洋食店自体がかなり増えてきており、dicosをパクったようなお店も現れてきており、洋食の物珍しさというのはなくなってきているでしょう。また、価格が安いに越したことはないのですが、低価格に最重点を置く消費者も減ってきたのではないでしょうか。それに、安ければいいというレベルの食べ物でも結構値段が上がってきてます。最近安く上げようと思って麻辣之(マーラータン)という食べ物を食べに行ったのだが、これが結構高かった!それこそファストフードで食べるのと同じくらいの値段しました。具を入れすぎという突込みはありましたが。。。

 

 外食業の環境もだんだん変わってきているように思います。10数年前はなんでも食べれるファミレススタイルの店じゃないとだめだといわれていた時代があり、そんな時代に進出した一風堂は実際にそのようなスタイルの店舗だったのですが、合弁相手との考えが合わずほどなくして撤退。ところが、再進出した一風堂は以前のようなスタイルではなく、日本のメニューよりはやや多いが、基本的にはラーメン一本で勝負するスタイルになってきていますよね。地方はともかく、都会では嗜好が変わってきたんですよ。いや、変わってきたというよりは受け入れられるようになってきたというほうが正しいのかな。ということは、日本料理も以前より受け入れられるようになってきたといえ、実際に以前と比べて日本料理屋の中国人比率はかなり上がってきていると思います。これから参入しようとする人はこれをチャンスと見るでしょうし、今すでに参入している人からするとチャンスという感覚もあるでしょうが、競争が厳しくなっていくとみる人もいるでしょう。気が付くと台北で見かけたことがあるのですが、日本ラーメン屋ばかりの通りができるかもしれませんね。


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