呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の介護プロジェクトには金がかかる

 中国の介護ビジネスが注目されるようになってから5年ほどたっているかと思います。介護ビジネスといっても介護施設もあれば、介護用品もあれば介護サービスもあります。最も資金負担が大きいのは箱ものである介護施設でしょう。中国の介護ビジネスを研究した方であれば北京太陽城という高齢者向けマンションの存在を聞いたことがあるかもしれません。北京太陽城の銀齢公寓というマンションは5棟あり、入居状況も悪くなく、毎年20%の純利益が上げられているとのことで、一見好調のように聞こえますが、これだけ利益を上げても当初調達した資金の返済でいっぱいいっぱいとのこと。

 

 入居はそこそこですが、サービスのほうはいかほどか。なんでも、エリア内にスーパーがあり、最初はにぎわっていたのですが、今では品ぞろえも以前ほど充実しておらず、そのためか以前ほどにぎわっておらず。また、温泉をつくる計画があったようですが、これもいつの間にか立ち消え、プールも故障中のようで開放されておらず、資金繰りが改善してから修理するとのこと。同も残念な状況にあるようです。

 

 さて、この高齢者向けマンション、4年目には利益計上を開始し、6年連続して納税もしており、純利益率が20%。ところが、これだけ利益を上げても利息返済でいっぱいいっぱいのようで、そもそもの資金調達コストが高すぎたという問題があります。銀行調達したのもありますが、タラ住まいを民間金融で調達しており、この金利が20-30%と非常に高利なのです。中国では中央企業、国営企業あるいはかなり名の知れた企業であれば銀行からの資金調達が比較的容易ですが、そうでないところは民間金融から調達しているところも少なくありません。そう考えると、箱物プロジェクトを進めようとすると自己資金が潤沢でなければかなり難易度が高いといえるでしょう。高齢者向けマンションもそうで、投入する金額が大きく、回収に時間がかかるプロジェクトです。最初から売り切り、あるいは多額の一時金を入れてもらわないことには資金面では結構難しいプロジェクトになるかと思います。

 

 逆に言えば、自己資金がそれなりに潤沢で、頭の部分である程度の資金回収ができるのであればそれなりに回るプロジェクトにすることもできそうですね。もし外資系がやろうとすると、一般的には資本金をそれなりに用意するので、自己資金がそれなりに潤沢といえばそうですが、資本金はいわば本社から出してもらって、それを配当という形で返済すると考えれば、本社から借り入れするようなものとも言えます。そうなると資本金というものをどのように割り切るかですね。


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