呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

個人信用度が上がることで住宅賃貸の保証金が免除

 住宅賃貸取引サービスプラットフォームなるものを構築しようという動きがあります。まず最初は、杭州からで、アリババとアントフィナンシャル(アリババの金融子会社)が全国初の住宅賃貸スマートプラットフォームを早ければ9月末にもスタートします。

 

 ポイントとなるのは評価体系です。賃貸前、賃貸中、賃貸後のそれぞれの段階において、仲介者に対する評価、賃借人の賃貸人に対する評価、賃貸人の賃借人に対する評価(賃料の支払い状況等)、というように、関係者間で相互に評価し、その信用度が公開されるものです。これが回り始めると、信用度の高い賃貸人はより多くの賃借人の目に触れるようになり、信用度の高い賃借人は保証金を免除されたり、家賃を月払いできたりするようになります。上海界隈では駐在員の住むような高額物件は家賃を月払いしているケースが多いと思いますが、一般的な住宅では付三押一(保証金1か月、家賃3か月前払い)が多く、地方によっては付六押一(保証金1か月、家賃6か月前払い)付十二押一(保証金1か月、家賃12か月前払い)なんてのもあります。大家からするとがちがちに保全を固めてるわけですが、借りる側からすると一番負担の大きい1年分の家賃前払いなんてあまりにも立場が弱すぎるといわざるを得ません。

 

 アントフィナンシャルによりますと、すでにいくつかの住宅仲介サイトで芝麻信用(個人の信用度を図る社会信用スコア。アントフィナンシャルが設立した独立機構によるもので、ビッグデータを使い個人の信用力を数値化し、評価点数が高い人には、ローンの金利優遇やホテルのデポジット不要など様々な生活サービスでメリットが享受されます)の評価に基づいて賃借人が保証金を納付することが免除されたり、家賃の月払いを認められたり、仲介料を免除されたり(仲介業者にとっては痛いはず)というようなメリットを受けられるような仕組みが出来上がってきています。

 

キャプチャ

(住宅賃貸仲介サイト「相寓」のウェブサイトより)

 

 他にも住宅賃貸に関する通達は準備されているようで、大家のほうから「子供が結婚することになったので住ませる」なんて理由で賃貸契約を解除してくるようなことは認められないようになり、賃貸契約も3年以上の期間で締結すれば政策支持(補助金か?)、家賃月払いを奨励するという内容になっています。

 

 そもそもいままでが賃貸者の立場が強すぎたのであり、こういう動きは賃借人にとっては非常にありがたい動きだといえます。アリババのような大手が動いている話であり、思っているよりも早く普及するかもしれませんね。


メルマガで最新情報をお届けします
「呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記」の新着記事をメールにてお届けします。今の中国ビジネスの実態をお伝えしております。
メールアドレス *
* 必須項目