呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

KTV通いもほどほどにしましょう

 以前300元以上の経費申請はすべて日本本社に報告しなければならないというルールのある日系企業を聞いたことがあったが、これとは正反対で今回は経費に甘い会社の話。

 

 中国に駐在に来るとついつい遊んでしまう人がいます。まあそれはいいのですが、中には遊び上手な人もいれば遊び下手な人もいます。遊び上手な人は帰任するときに小姐に涙され、遊び下手な人は帰任するときに手切れ金をせびられて涙し、といったあたりでしょうか。

 

 さて、接待でKTVを利用するのは良くある話。世の中の奥様方にとっては不愉快かもしれませんが、そこはしょうがないでしょう。会社から見ても接待して商売が取れるならそれはそれでよし。しかし、あまりに金額が大きい、あるいは公私混同しているのはいかがなものか。実際にそのようなケースもあります。

 

 以前聞いた話。とある飲食店に知人が勤務しており、いい感じのお店で何度か行ったことがあるのですが、お客さんもそこそこいて繁盛していました。しばらく行かないうちにいつの間にか閉店してしまったのですが、あんなに繁盛していたのに何でかなあと思っていました。何年かしてその知人に会い当時の話を聞いたのですが、なんでも毎月のように日本本社から人がやってきて一週間ほど滞在し、滞在している間は毎日のようにKTV遊び、その費用はすべて現地法人持ち。一回あたりに使う金は1万元ほど。つまり、毎月のように7万元ほどがコストアップされていたのです。年間に引き直すと約85万元、そりゃないわ。純利益でこれだけ利益を出そうと思うとどれだけ売り上げを上げないといけないことか。当然損益状況はよくなく、あえなく閉店となってしまったわけであります。

 

 もう一つ似たような話。接待好きなのか遊び好きなのかよくわからないのですが、とにかくKTV好きの総経理。毎月のような7万元だ、8万元だとKTVでお金を落としていました。しかしこのような幸せな日々も現地法人の出資構造が変化してから雲行きが怪しくなってきました。もともと独資だったのが中国企業と合弁化したのです。すると今までお目こぼし状態にあったKTV接待の金額にチェックが入り始め、注意したところ少しは改善したものの徹底的な改善はなされず、ついに中国側はしびれを切らしてこの総経理を帰任させたのです。まあ、そりゃそうでしょう。これも同じく年間で100万元近く使ってるわけですから。どんな業界かよくわかりませんが、過去に中国の贈収賄について調べたときに獲得できた商売に対して贈賄額が3%くらいが多かったのですが、これを基準とすると3300万元くらいの売上はあげないといけないでしょう。でももしも粗利の薄いものを流すだけのよう販売会社だったら3300万元程度じゃ話にならんでしょう。

 

 さて、この接待文化、当然中国にも接待文化はあります。商売になるならないは別としてとにかく一緒にご飯に行きましょうという流れになるのはよくありますが、商売が絡んでいればより一層そのような流れになりやすくなります。二つ目の話の会社では中国人社員も接待をするのですが、会社はそれを負担してくれないとのこと。日本の企業文化に慣れ親しんでいると結構厳しい話だなあと思います。そもそも自腹で接待することを日本の会社はよしとしないですよね。自分が以前所得していた銀行ではそういう文化でした。お客さんとの間でせいぜい共通の趣味であったプロレスのビデオを貸し借りしていたくらいです。さて、それでも中国人社員はなぜ自腹を切って接待をするのか。接待することによって商売が取れ、その売り上げから上がってくる歩合が自らの収入に跳ね返るからだって。なので、ここが勝負どころと思うと一気呵成に接待するそうです。なるほど、これはこれでわかりやすい。

 

 日本企業はお客さんとの癒着を恐れ会社に稟議の上がらない、従業員が自腹で行う私的な接待を許さない。一方中国企業では接待は自腹を切らないといけないが、その結果として挙がってくる歩合を期待する。日中の考え方の違いですな。


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