呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

従業員解雇交渉の現場 ~その4~

 このとき娘さんから電話が来た。

「あの二人が店に居座って出ていかない、どうしたらいいか?」

「ガードマンにつまみだしてもらえばいい。ガードマンが役に立たないようであれば公安に言えばいい」

「そんなことすると大家さんのお店に対するイメージが悪くなって、お店の賃貸契約の更新ができなくなるかもしれない。」

「そんなこと言ってたら何もできんでしょう。とにかく、写真バシバシとって、後に何かあった場合に備えて証拠を残しておきましょう」

 

 この二人の従業員は再三再四にわたる説明にもかかわらず、株主は連帯責任があるのでそこからとってやれと考え、娘さんのほうにも再三再四にわたって株主には連帯責任はないと説明したのだが、どうも連帯債務を負わなければならないという観念から離れられなかったようで、要するに理解していない者どうしでもめていたという訳の分からない状況だったのだ。しかし、これはこれで社会道徳に反する行為なので、あとから何かあった時に、この時の素行をカードとして持っておくことにした。

 

 この財務責任者、本当にややこしいやつで、ルーティンワークもすべて拒否し、日本側に対して「メールは法的効力がないものなので、メールを通じて受けた指示に従うことはできない」というメールを送ってきたのだ。このメールは社長宛で、私あてには送られてこなかったのだが、社長から転送してもらった。社長が中国語を読めないとわかっていることもあり、機械翻訳なのか、知り合いに頼んだのかわからないが、ちょっとたどたどしい日本語で送られてきた。事態の流れがわかっているので、だいたいの内容は理解できた。しかし、メールには法的効力がないという内容をメールで送るという何とも自己矛盾したメールだ。日本側からこのメールに関して相談があったが、会社を放置するという方針で進めていく以上、こんなメールにまじめに対応する必要がないと説明し、これもまた後から何かあった時のためのカードとして持っておく材料とした。(続く)


メルマガで最新情報をお届けします
「呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記」の新着記事をメールにてお届けします。今の中国ビジネスの実態をお伝えしております。
メールアドレス *
* 必須項目