呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

無人化は人を不愉快にさせるシステムのソリューション

 中国のキャッシュレスが話題になって久しくなります。キャッシュレスをはじめとして、人をできるだけ介さないような形態がみられるようになってきており、シェアサイクルしかり、無人コンビニしかり、店舗での注文をiPadやスマートホンで済ませるようにしたり、決済までさせたりなんかがそうですね。人の温かみを感じられなくなるという人もいるかもしれませんが、人を介さないほうがストレスを感じなくなるのではないかという考え方もあるのではないかと。

 

 とある会社の中国法人設立のお手伝いをしておりまして、最近中国の銀行も本人確認がやたらとうるさく、代表者本人が来ないと口座開設してくれなくなって来たりしてます。たかだか銀行口座を作るためだけに、銀行窓口で顔を見せるためだけにいちいち海外からくるのはばからしいのですが、かたくなにこれを要求します。そんな中で、パスポートの原本さえあれば本人が来なくてもいいという銀行があり、そこで銀行口座を開設することになったのですが、オペレーションが利用者にとって親切ではないのです。親切だと思ったのは人民元基本口座を開設するときくらいで、なぜ親切と感じたかというと、銀行窓口に行く必要ももちろんあるのですが、アプリで必要資料が明記されていたり、進捗が確認できたりするのです。ということで、人民元基本口座の開設はそれ相応の時間は要しましたが、それほどストレスを感じることもなく進めることができました。問題は人民元資本金口座です。これはストレスばっかりですわ。そもそも必要資料で何が必要かというのを口頭で済ませようとする。その時点でおかしいのだが、必要資料一覧くらいさすがにあるだろうから、ペーパーでくれとお願いしたらめちゃめちゃ印刷の悪いのが出てきて、これ見ればよいとだけ言われました。これを見ればよいという資料も書き方が曖昧なので、後からすったもんだしました。

 

 まあ、なんやかんやで資本金口座が開設できました。そうこうしているうちに資本金が払い込まれましたという電話連絡が来ました。電話が来た時に、入金手続きするときに必要な資料が何かを教えてもらい銀行に行ったところ、「今から必要資料説明しまーす」と言われ、頭の中は一気にクエスチョンマーク。そして伝えられたことは電話連絡で聞いた時の内容と全然違う。電話連絡で聞いてた話と違うと伝えると、「その人は着金したことを連絡するだけなので、そこまでわからない」とのたまわれ、仏様×100倍の穏やかさを持つ私もさすがに怒ってしまいました。どうしてわかってない人から連絡させるのだろうか、その発想がわからん。そもそも口座開設の時に必要な資料一覧、資本金口座に入金した資金を使用するにあたって必要となる資料一覧、こんなの紙一枚用意しておけばいいものを、「イレギュラーな取引があるから」という理由で用意していないとは。イレギュラーを前提にするなよ。やらないための理由づくりとしか思えん。お客さんに寄り添う姿勢が足りないよな。銀行の言うとおりにやろうとすると結局は窓口で説明を受けないと前に進まないということになるので、何回も銀行に行かないといけなくなる。こんなことでそんなに来店誘導したいか?業務の効率化を進めようとする姿勢が全く見られん。自分が銀行にいてこの業務をやっていた時は必要資料一覧はちゃんと作成していました。過剰サービスいう人もいるかもしれないですが、サービスが良いと思ってもらえばそれでいいですし、むしろしょうもない問い合わせをカットする効果のほうがずっと大きいと思います。

 

  ということで感じたのは、中国の無人化というのは技術研究を追求していく中で得られた結果であるには違いないですが、人を介さないような方向(これを無人化というのでしょうが)に持っていくため、人と人がやり取りするとストレスが溜まってしまうだけなので、そうならないように人と人が介さないような方向にもっていくことを一番の目的にしているのではないかと思ってしまいました。システムを使いこなせないのもストレスですが、人と接することによるストレスも結構きつい。そういえば、最近はどうだか知りませんが、昔中国を旅行していた時にやたらとストレスを感じさせられる場面が多く、「人を不愉快にさせるシステム」と呼んでいた時期もあったなあ。中国の無人化は人と人とが触れ合うことによるストレスを回避することを目的にしているのだ。うん、きっとそうに違いない。人を不愉快にさせすシステムの究極のソリューションは無人化なのだ!

 


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