呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

商社マンOBが中国をふり返る ~本音の中国を語ろうその4

私「その金銭のやり取りは北京、上海、広東とでは違うのですか?」

M「北京は政治のお膝元故、取り締まりもそれなりに厳しいでしょう。上海は欧米の風潮あり、金銭の扱いには厳しい面が有ります。中国では俗に“北京愛国、上海出国、広東売国”と言われているね。北京は政治の中心で愛国談義をする、上海は欧米の風潮が強く、憧れからとにかく中国は嫌だ、出たい!と願望する人が多い。広東は国家なんてどうでも良い、銭、銭で行こう!と言う輩が多い。南に下る程程度が低くなるという事で北京人は又上海人は広東人をバカにしてますな」

 

私「それは、驚きですね。中国人の数は多いでしょうが、大体同じ様な人達と思っていましたが」

M「それは全く違うね。例えば、私は山東省で合弁会社の幹部をしていたけれど、会社の運転手が以前広東に行ったそうな。広州の町を歩いていて、迷子になってしまい、歩いている人に道を尋ねたらさも知っている様に答える、しかし嘘っぱちで、二番目の人に尋ねても同様ウソを言う、結局3番目の人が漸く正解をくれた。運転手は広東人は絶対信用してはいけない、と語っていた。まあこれは広東人に限らず中国人は知らないという事は簡単に言えない様だね。面子が有るから知らないとなると、あの人は“アカン”と烙印を押されるのを恐れているのでね。合弁会社設立の契約交渉している時でも中国の法規定をさも知ったそうに胸張って自信たっぷりに言う幹部が居て後で我々が元を取ったら違っていて、翌日の会議で“あんたの昨日言った事は違っているよ。事実はこうですよ”と言いそうになったが、止めた。」

 

私「何故ですか?はっきり言うべきでしょ!」

M「ここにも面子の問題が絡むからね。その人に大勢の前で恥をかかせる事になるから。そうなったら、今後その人から協力して貰えない惧れが有るので、じっと耐えた事が有るね。話がずれるが中国では面子を非常に重んずるので注意するが良い。プライドの問題ではあるが、激烈な競争社会で生き抜くには人よりも抜きん出る必要有り。で或る本に書いてある事であったが、中国での面子と言うのは深く、重い意味あり。どういう事か、と言うと自分の権限内でなく権限外の事まで携わって成果を上げたら、これが最高の面子が立つ、と言うのだそうだ。権限内で成し遂げるは当たり前の事、これが権限外なら、“たいした者だ”と称賛に変わり、その人と面子は保たれると言う事でしょうね。」

 

私「ちょっと複雑ですね」

M「そうだね。だから、役所でも自分の部署以外の案件でお願いがあるとなると、頼まれた方は自分の権限外の事を内部であの手この手を駆使して、要請に応える。成功したら、それ成りの報酬が期待できると言う事でこれも汚職の原因、つまり中国人の面子も汚職の原因の一つでしょうね。」

 

続く


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