呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

商社マンOBが中国をふり返る ~本音の中国を語ろうその6

私「よく分かりました。次の問題はなんでしょう?」

M「報連相とか報告の仕方かな?これもね中華民族のDNAに関係していると思うよ。中国の伝統社会では自ら動くと災いは自身に及ぶと言うジンクスが有るので動かない方が良いとされている。上司の言うとおりに行う方が一番安全な処し方。で、報告、連絡、相談も自分からして来ない。聞かれたら答える、言われたら行うと言うのが彼らの身体に浸み込んでいる。もっとも最近は欧米流の仕事方法を身に付けている若きエリートは積極的に自分のアイデアを言う様になって来ており、このDNAは徐々に少なくなって来ている。それから報告の仕方の件、結論を先に言わず最後に言う傾向に在り、聞く方は“一体何を言いたいのだ!Yes Or Noどちらなんだ!”と爆発しやすい。途中話している言葉聞いていると、グチャグチャ言ってお前一体何を言いたいのだ?と怒鳴る気持ちになる。迅速に動く社会ではこの様な報告の仕方は改善すべきだろうね。まあ、今言った様に競争激烈の社会ではエリート社員は積極的に仕事に取り組んでおりこの報告の仕方も欧米流に先に結論出す方向にあり、安心はして良いでしょうね。つまり、人次第で採用するなら、自ら動く社員を採用すべきであるでしょう。」

 

私「人は石垣、人は城、と言われます。これは、古今東西の原則と思います。私は人材採用に就いては多額の費用出しても優秀な人材を雇用するつもりですがーー」

M「そうだね。アナタの今言った優秀な社員と言うのが中国ではクセモノでね。何を以て優秀とするか?アナタのアイデアは?考えはどうなんですか?」

 

私「何事にも積極的。コスト意識有り、会社に貢献するなら、自分は法違反しないなら何でも行う、と言う人でしょうか?」

M「立派な答えですね。アナタはその様な考えで以て採用試験に臨む。しかし肝心なところを見逃してはいませんか?」

 

私「何だろう?」

M「論語を読んだ事ありますか?論語の世界では徳が本、財、才は末、

つまり、君主は自分の後継を見るに本末になっているか、つまり徳が有るか否かを先ず見る。それが才が有るか?を先に見るなら、これを本末転倒と言っていますな。アナタの採用基準は立派ですが、まずは当人が人望有るか?人徳有るかを見る事ですよ。話は少々変わりますが今の世の中、企業とか政治家とか社会のリーダーと呼ぶべき人が大きな間違いをして、マスコミの前で頭を下げて“スンマセン”と謝っているでしょ。彼等は才で選ばれて徳を持たないからあの様な無様な格好している。東芝の問題も然りで、過去粉飾決算した三人の社長は顔つき見ても、嫌らしい、品の無い顔している。社員が可哀想だね。話を戻します。優秀な人ほど注意せよ!とは中国ではよく言われる言葉です。彼らはごまかすのが上手ですね。

 

 私が北京事務所にいた頃に優秀と言われていた中国人社員がいた。話の仕方、身のこなし方など中々良いセンス持っているな、と感心していたら、何と大きな背任事件を起こしてしまった。どういう事かと言うと、自分の妻が経営する会社に自分が勤務する商社から不当に安く商品を仕入れ、販売していて、その会社は大きな利益を上げていた、と言う事件が起こったんだ。妻は旦那とは別姓で中国人社員も妻とは分からず、又彼が妻と話す言葉つきは完全に顧客に話している言葉で、誰も見抜けなかった。で多分L/Cオープンか書類上のやりとりで住所が彼の住所と一致して、会社の幹部が彼を追及したら、自分の妻の企業と取引をしていた事が判明、その為に会社に損害を与えた言う事であるが、その後のその社員の行動がこれ又中国人にしては珍しいあっぱれな?事。つまり彼は損害を与えた分の2倍の利益を会社に与えて、それから、妻と共にブラジルへ行ってしまったそうである。私の所属する北京のある部門でも同様不正が発覚した。私が採用した社員で細かく動き、顧客には好かれていてハキハキ応対する社員。好感度も良い、が私が帰国した後に不正を行って会社解雇された。残念である。」

 

続く


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