呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

商社マンOBが中国をふり返る ~本音の中国を語ろうその7

私「難しい問題ですね。日本では優秀即不正はしない、と言う暗黙の了解が有りますが、中国は先ずは不正をするとみて対処すべきでしょうか?」

M「道徳、倫理の観念が薄いね、中国の社会は。故に個人で防衛すること。仕事を任せるという事は自分が責任を持つ事で、要は常に仕事振りを見ている事。電話を注意して聞くとか、外出は何処にどれだけの頻度で行っているとか、本人にはちゃんと見ているぞ!と思わせる事だね」

 

私「そうなると、中国語を勉強せにゃあかんですね。」

M「あんた、中国語知らず中国へ行く心算なの?それは如何いう魂胆か、ちょっと理解できないね。あんた、今まで欧米担当であって、英語は勉強したよね?それじゃ、中国も同じ理屈じゃないのか?中国語を勉強する事は中国の事がより深く、広く理解できる。私の今までの話も勉強したら、益々身近に感ずる。」

 

私「けれど、来年4月ならあと6ケ月しかないですよ。無理でしょう。現地では通訳を雇いますから。日本語話す若い中国人は沢山いるそうです。日本は憧れの国と聞いており、わが社へも多数の応募が有るでしょう」

M「6ヶ月でも毎週学校に通えば、かなり習得できるはず。本人も努力せねばならないが、通訳任せでは、相手の微妙なニュアンスとか今言った社員がお互い何を話しているかなどが不明となり、最悪ツンボ桟敷になってしまうぞ。又通訳があんたに代わり会社を管理する様になる。日系会社は色々失敗して損害を大なり小なり出しているが、其の原因の一つが通訳が総経理に成り代わり会社をManageする様になる事。通訳を通さないと、総経理に話できない、というシステムは極めて不自然で危険だね。其の通訳が果たして真実を伝えているか確認しようが無いだろ?ある実験が有るが通訳を介する場合、頼んだ方は100の回答を総経理から欲しいのに実際来た回答は35%という実験結果が有る。現場の中国人は100を話し、通訳はこれを70理解、これを60、総経理に伝え、総経理は50理解して50をベースに話す。通訳はこれを40理解してそれを中国人に伝える。聞いた中国人は35%の回答しか貰えない。つまり、自分の欲しい回答は貰えないと言う事を示している。通訳が果たして本当に理解して翻訳しているか?がチェックするならいいが、そんな馬鹿なシステムは何処も採っていないだろう。毎日コツコツと勉強するんだな!

 

 初訪中の時、ホテルで日本の家族に手紙を書きたいと思い用紙を頼んだ。話せないので、筆談した。“手紙をください”とね。処が持って来たのは何とトイレットペーパーで之は正に手紙である。それじゃ、日本の手紙は如何言うのか?で手紙自体は信、日本では書信と言うでしょ?用紙は信紙と言う。間違え易いのは本で中国では書と言う。読書の書、何故本と日本で言うのか?書を数えるとき一冊、2冊は日本語で中国では一本書、二本書と言う。先ほどの写は筆記、なら日本の写すは何と言うか?之は抄と言う。この様に簡単な言葉でも意味は異なるので、恥をかく前に学習しておくんだね。」

 

私「分かりました。考えておきます。処で中国人の扱い難さで3番目の事は何でしょうか?」

M「そうだね。採用したら、直ぐ辞める事かな。日系会社は人事に色々問題を抱えている。それらは給与が安く、昇進も遅い、仕事を任せてくれないなど有る。欧米企業などは給与5,000元/月で募集、日系企業もこれに負けじと5,000元/月で募集。双方同じ条件であるが、欧米は社員の居座りが日系と比べ長い。処が欧米企業はこの5,000元以外にヤミ手当を払っている様で、この額が意外と大きい。20%になるという数字もある。応募する中国人も5,000元は表面的と思って入社するが、日系企業はこれが実質と分かると急速に裏切られた気持ちになり、“他エエトコないかいな?”と探す様だね。他昇進も遅い、仕事が面白くないとか在って評判は余り良くないな。」

 

私「其れ分かっていながら、改善しないのですか?私なら、即改善しますがね」

M「日系企業は30,000社中国に存在するが殆ど中小企業。彼らはオーナー企業で日本にいるオヤジさんの意向を受けて仕事している。オヤジさんは青春時代を刻苦勉励で過ごして来たので、中国人の種々要望を“何を甘い事言っているんだ!”で一蹴しがちだね。銭の為に現場社員は仕事している。この事を日本本社はもっと理解せにゃアカン!昔の刻苦勉励は時代遅れなのです。中小企業は今まで大企業の庇護下何も前向きに事業開拓せず、順調に大きくなって来たが、大企業が今やそんな余力は無い。よって中小企業自身が脱皮せねばならない。人材不足が最大のテーマなのだね。

 

 前勤務した独立行政法人では海外ビジネスコンサルをしていてね、其処には毎日中小企業の幹部が来訪して色々相談にやって来たね。其の多くは、事業、商売失敗の事例で、酷い、バカな話も有る。上海で展覧会が有るので通訳無し、中国も初めてというオッサンが“向こうに騙された。この損失補てん、国で面倒見てくれまへんか?”と興奮気味、怒り心頭で私の処に来た。話を聞いて呆れるやら、バカな人!と思ったりしたが、本人は多くの損失を作り何とかして欲しいと訴えている。小生は先ず常識的に考えて、初訪中で通訳無しに商売する事が如何に間違っている事は承知してますか?とやんわり聞いた。本人は“相手は漢字の国で喋れなくても字を書けば理解して呉れるものと思っていた。”と言う。小生は呆れて、“この件、損失は国は面倒見れませんよ。アナタ自身の配慮無さが引き起こした故、アナタ自身が負担せねばならないですよ”。とやんわりと然し冷たく言い放った。本人は興奮しており、其れでも引き下がらないので、何か抗弁できるもの、具体的に探してから又来てくださいと言い、急ぐならこの様な相談機関あるので行ったら如何ですか?恐らくダメと思いますが、として其処を紹介した。話がずれましたね」

 

続く


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